「そんなに緊張してます?」
「し、してないもん」
今のは…今のは、その、あれだよ。
いきなり背中をつつかれたから、びっくりしただけだもん。
全然、緊張なんてしてな、
「いや、さっきから大人の威厳、大人の威厳って、呪文のように繰り返してるんで。何かに取り憑かれたのかと思いまして」
「ふぇっ!?」
「はい?」
き…。
…聞かれてた?
「わ、私、それ、声に出てたっ!?」
「めちゃくちゃ出てましたけど…。え?無意識だったんですか?」
「〜っ!!」
「あ、やっぱり済みません」
大人の威厳どころか。
後輩に気を遣われる始末。
なんて情けない先輩だ。
「うぅぅ…」
「別に良いじゃないですか、緊張くらいしたって。恥ずかしいことではないのでは?」
「だ、だって…」
そりゃあルーチェスにとっては、全然恥ずかしいことじゃないかもしれないけど。
私にとっては、充分恥ずかしいことだもん。
たまには私だって、こう…ルレイアやアイズみたいに…。
…格好良い、『青薔薇連合会』の幹部としての威厳を見せたかった。
そりゃ私は、ルレイア達みたいな器じゃないのかもしれないけど…。
どよーん、と落ち込んでいると。
「それに、シュノさんの威厳なら、既に見せてもらってますよ」
「え?」
「僕が尻尾を巻いて逃げ出した『赤き星』、あれを潰したのは、紛れもなくあなたの功績でしょう?」
「それは…」
あのときは…とにかく必死で。
緊張とか、感じてる暇がなかったって言うか。
勢いで乗り切っちゃった感じ。
あ。ルレイアがいつも猪突猛進するときって、あんな気分なのかな?
「…私だけの功績じゃないよ。アイズも手伝ってくれたし…」
「とはいえ、自分の熾した火の不始末を、あなた達にさせてしまって申し訳ないです」
「…謝る必要なんてないよ」
ルーチェスは、充分よく頑張った。
お嫁さんを守らなきゃならなかったんだし。
彼はあの危険な状況下で、自分に出来る最大のことをしたのだ。
あれ以上はなかった。
それに。
「家族を守る、助けるのは、当たり前のことだもん。私は当たり前のことをしただけだから、ルーチェスが謝る必要なんてない」
「…家族…家族ですか」
「そうだよ」
『青薔薇連合会』の皆は、私の家族。
特に幹部の皆は、もう自分の兄弟と同じだと思ってる。
家族を助けるのに、理由が必要か?
「だったら…今回も、家族の為に頑張らなきゃいけませんね」
「うっ…うん、頑張る」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ」
「本当に大丈夫ですか?…大人の威厳の方は?」
「うぐっ…」
い、痛いところを突いてくる…けど。
最悪、大人の威厳なんてなくても良い。
家族を、守れるのなら。
「し、してないもん」
今のは…今のは、その、あれだよ。
いきなり背中をつつかれたから、びっくりしただけだもん。
全然、緊張なんてしてな、
「いや、さっきから大人の威厳、大人の威厳って、呪文のように繰り返してるんで。何かに取り憑かれたのかと思いまして」
「ふぇっ!?」
「はい?」
き…。
…聞かれてた?
「わ、私、それ、声に出てたっ!?」
「めちゃくちゃ出てましたけど…。え?無意識だったんですか?」
「〜っ!!」
「あ、やっぱり済みません」
大人の威厳どころか。
後輩に気を遣われる始末。
なんて情けない先輩だ。
「うぅぅ…」
「別に良いじゃないですか、緊張くらいしたって。恥ずかしいことではないのでは?」
「だ、だって…」
そりゃあルーチェスにとっては、全然恥ずかしいことじゃないかもしれないけど。
私にとっては、充分恥ずかしいことだもん。
たまには私だって、こう…ルレイアやアイズみたいに…。
…格好良い、『青薔薇連合会』の幹部としての威厳を見せたかった。
そりゃ私は、ルレイア達みたいな器じゃないのかもしれないけど…。
どよーん、と落ち込んでいると。
「それに、シュノさんの威厳なら、既に見せてもらってますよ」
「え?」
「僕が尻尾を巻いて逃げ出した『赤き星』、あれを潰したのは、紛れもなくあなたの功績でしょう?」
「それは…」
あのときは…とにかく必死で。
緊張とか、感じてる暇がなかったって言うか。
勢いで乗り切っちゃった感じ。
あ。ルレイアがいつも猪突猛進するときって、あんな気分なのかな?
「…私だけの功績じゃないよ。アイズも手伝ってくれたし…」
「とはいえ、自分の熾した火の不始末を、あなた達にさせてしまって申し訳ないです」
「…謝る必要なんてないよ」
ルーチェスは、充分よく頑張った。
お嫁さんを守らなきゃならなかったんだし。
彼はあの危険な状況下で、自分に出来る最大のことをしたのだ。
あれ以上はなかった。
それに。
「家族を守る、助けるのは、当たり前のことだもん。私は当たり前のことをしただけだから、ルーチェスが謝る必要なんてない」
「…家族…家族ですか」
「そうだよ」
『青薔薇連合会』の皆は、私の家族。
特に幹部の皆は、もう自分の兄弟と同じだと思ってる。
家族を助けるのに、理由が必要か?
「だったら…今回も、家族の為に頑張らなきゃいけませんね」
「うっ…うん、頑張る」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ」
「本当に大丈夫ですか?…大人の威厳の方は?」
「うぐっ…」
い、痛いところを突いてくる…けど。
最悪、大人の威厳なんてなくても良い。
家族を、守れるのなら。


