The previous night of the world revolution6~T.D.~

昼休憩だからって、喫茶店やレストランに入る訳ではない。

駅前の噴水の傍にある、ベンチに腰掛けていた。

季節が季節だったら、暑いか寒いで、絶対無理だったろうな。

しかも、昼休憩に食べるものも。

「コンビニで、何か買ってくる…」

エリアスが、重い腰を上げようとしたが。

俺が、それを制した。

「エリアス。これ、大したものじゃないですけど」

俺は、タッパーの入った紙袋を差し出した。

「ルナニア?」

お昼はコンビニで済ませ、質素倹約…も良いが。

本当の貧困層にとっては、コンビニですら贅沢。

従って、俺は模範的な革命闘士であることを示す為に、色々と小細工を考えてきたのだ。

「持ってきたんです。おにぎりですけど。お茶もありますから」

俺は、コップ付きの水筒を取り出した。

どうだ、ちょっとは感動したか。

「ルナニア…」

その目は、尊敬と羨望の眼差しに満ち溢れていた。

ふっ。チョロい奴。

ちょっと小芝居してみたら、これだよ。

「そうだな。ルティス帝国では、今日食べるものに困ってる人もいるのに…。俺達が、贅沢をする訳にはいかないもんな」

「そうです。『帝国の光』の為に、今は少しでも倹約しましょう」

「あぁ、ルナニアの言う通りだ」

ベンチに座り直したエリアスの前に、俺はタッパーを開けた。

マジで、おにぎりだけである。

塩むすびのみにするか、ちょっと悩んだが。

せめてもの情けということで、海苔だけつけておいた。

よって、中身の具は無し。

質素倹約弁当である。

いっそ、日の丸弁当の方が良かっただろうか?

「凄いな、これ、ルナニアが作ったのか?」

「はい」

嘘である。

エリュシアにやらせた。今朝。

とはいえ奴は俺の下僕なので、俺がやったと言っても過言ではないな。

「ありがとう。もらうよ」

「えぇ、どうぞ」

この質素感を出す為に。

俺はわざわざ、エリュシアにスーパーに行かせて、一番安い米を買わせ。

エリュシアを電気屋にやって、安い炊飯器を買わせ。

エリュシアに指示して、塩も少なめ、海苔もケチらせて、おにぎりを作らせたんだぞ。

全く、本当に苦労したよ。

俺、頑張っただろう?褒めて欲しいよ。