The previous night of the world revolution6~T.D.~

だって、仕方がないだろう。

ポジション的に、俺は『ルティス帝国を考える会』に忠実でなければならないのだから。

エリアスを手助けし、『ルティス帝国を考える会』の方針に従うのが俺の役割だ。

だからって、休日返上とは聞いてないぞ。くそっ。

エリアスの奴め、「平日だけじゃ駄目だ。休日も行こう」なんて言いやがって。

断りたかったが、上記の理由で断るに断れない。

無理矢理笑顔を作って、「良いですよ、行きましょう」と答えなければならなかった、俺の気持ちが分かるか?

ましてや、今頃同居人のルーシッドは。

何もやることがなく、呑気な休日を過ごしているというのに。

ムカついたから、俺の自慢の黒革ゴシックソファ、ピカピカに磨いとけと指示しておいた。

俺だけ休日出勤で、あいつだけ休みを謳歌とか、そんな身勝手は絶対に許してなるものか。

死なば諸共だ。

こんなことになるなら、「駅で配るのはどうでしょう」とか、言わなきゃ良かったかなぁ。

でも、宗教勧誘と言えば、駅前でビラ配りが常套手段だし。

え?『帝国の光』勧誘は、宗教勧誘とは違うだろうって?

『帝国の光』は『天の光教』の後継組織だし、もう宗教みたいなもんだよ。

一緒だ一緒。

ゴキブリが偉そうに、「俺はムカデとは違うんだ、一緒にするな!」と怒ってるのと一緒。

害虫なのは同じだ馬鹿。

まぁ、毒を持ってる分、ムカデの方がより害悪だが。

しかし、このビラ配りって。

やってみると、意外とキツい仕事だったりするんだぞ。

何だよ、配るだけなら楽じゃんって思ったか?

じゃあ代わってくれよ。

それが、そんなに楽じゃないんだ。

まず、長時間立ちっぱなしという、立ち仕事であることもキツいけれど。

それ以上に。

「俺達は、『ルティス帝国を考える会』です。これ、『帝国の光』の…」

エリアスが、スーツ姿のハゲ頭男性に、ビラを渡そうとしたが。

「あー?知るかよ。ゴミ配ってんじゃねぇ」

ビラを受け取るどころか、苛立った風にそう言って、エリアスのビラを振り払い。

足早に、その場を立ち去っていった。

若干、悲しそうな顔のエリアスである。

だが、こんなことは茶飯事だ。

むしろ、素直にビラを受け取ってくれる人の方が少ないくらい。

全然減らない。この山のようなビラ。

邪魔だし、ゴミなのは分かるが。

受け取るくらいしてくれよ。

鼻紙の代わりくらいには使えるからさ。

俺だって、ビラ持て余して大変なんだよ。

ったくあのおっさんめ。あんな短気だから、頭ハゲるんだよ。

きっと、世間は休日だってのに、仕事に駆り出されて苛ついてるんだろうなぁ。

そりゃ頭ハゲもするよ。

頑張れハゲおっさん。

そして、休日だというのに、こんな下らないことをさせられている、俺もハゲそうな気分だ。