えぇ、置いていきましたよあいつは。
あの女派遣員、俺達から、巻き上げるだけ金を巻き上げて。
そして、そのお礼とばかりに、面倒な置き土産を残していきやがった。
それが、この大量のビラである。
デカい段ボール箱数個に、びっしり詰め込まれていた。
『帝国の光』を宣伝するビラだ。
これを全部配ることが、俺達『ルティス帝国を考える会』に課せられた、ノルマみたいなものだ。
エリミア会長は、手隙の学生は、学内でこれを配るように命じた。
『考える会』の、アホで熱心なメンバー達は、こぞってビラの束を持っていった。
中には、本当は講義があるのに、友達に講義を代返してもらうよう頼んだり。
あるいは、講義をすっぽかしてまで、ビラ配りに勤しむ者まで出てくる始末。
お前ら、学生だろうが。
ビラ配りより、優先するべきことがあるだろう。勉強しろ。
たかがビラ配りの為に、講義の時間を無駄にするなよ。
しかし、こいつら如何せんアホだから、「ルティス帝国の未来の為」という大義名分の為。
ビラ配りの方が重要と判断して、講義を蔑ろにしている。
仕方がないので、俺もそれに同調して、今日も元気に、熱心にビラ配り。
あぁ、俺何やってるんだろうなぁ。
折角、ルティス帝国で最も健全な、カリスマ教師になる為に、わざわざ教育学部に入学したというのに…。
俺の計画が台無しだよ。どう責任を取ってくれるんだ。
で、こうして。
エリアスや、ABC三兄弟と共に、学内でビラ配りに勤しんでいた訳だが。
不定期にビラ配りに参加する、ABCとは違って。
毎日、必修科目以外の講義は全部スルーしてビラ配りに参加していた、熱心なエリアスが。
ある日、俺にこう提案してきた。
「学内だけじゃ駄目だ。もっと人が集まるところに行って、広く俺達のことを知ってもらおう」
などと、アホなことを供述しており。
あまりにもアホ過ぎたので、俺は一瞬冗談かと思ったが。
その真剣な眼差しで、これは冗談の類ではないと判断。
従って、俺もまともに会話をしなければならなくなった。
「もっと人が集まるところって?」
「学外だよ。学内の学生達には、他のメンバーが配ってるから、もうこれ以上配っても無駄だと思うんだ」
あぁ、そりゃそうだろうね。
「もらった傍から、くしゃくしゃに丸められてゴミ箱に捨てられているビラも見た。あれじゃ駄目だ」
うん、俺も見たよ。
俺は正しい判断だと思ったけどね。
「それに、渡そうとしても、断る学生も多いし…」
うん、多いね。
「あぁ、そういうのはちょっと…」とか。
「あ、要らないっす」とか。
やんわり断られたり、きっぱり断られたり。
いずれにしても、断られていることに変わりはない。
俺は安心したよ。
ルティス帝国の若者達の中でも、まだまともな感性を持ち合わせている者がいるのだと。
希望が見えた気がしたね。
しかし、エリアスはそうではないらしい。
あの女派遣員、俺達から、巻き上げるだけ金を巻き上げて。
そして、そのお礼とばかりに、面倒な置き土産を残していきやがった。
それが、この大量のビラである。
デカい段ボール箱数個に、びっしり詰め込まれていた。
『帝国の光』を宣伝するビラだ。
これを全部配ることが、俺達『ルティス帝国を考える会』に課せられた、ノルマみたいなものだ。
エリミア会長は、手隙の学生は、学内でこれを配るように命じた。
『考える会』の、アホで熱心なメンバー達は、こぞってビラの束を持っていった。
中には、本当は講義があるのに、友達に講義を代返してもらうよう頼んだり。
あるいは、講義をすっぽかしてまで、ビラ配りに勤しむ者まで出てくる始末。
お前ら、学生だろうが。
ビラ配りより、優先するべきことがあるだろう。勉強しろ。
たかがビラ配りの為に、講義の時間を無駄にするなよ。
しかし、こいつら如何せんアホだから、「ルティス帝国の未来の為」という大義名分の為。
ビラ配りの方が重要と判断して、講義を蔑ろにしている。
仕方がないので、俺もそれに同調して、今日も元気に、熱心にビラ配り。
あぁ、俺何やってるんだろうなぁ。
折角、ルティス帝国で最も健全な、カリスマ教師になる為に、わざわざ教育学部に入学したというのに…。
俺の計画が台無しだよ。どう責任を取ってくれるんだ。
で、こうして。
エリアスや、ABC三兄弟と共に、学内でビラ配りに勤しんでいた訳だが。
不定期にビラ配りに参加する、ABCとは違って。
毎日、必修科目以外の講義は全部スルーしてビラ配りに参加していた、熱心なエリアスが。
ある日、俺にこう提案してきた。
「学内だけじゃ駄目だ。もっと人が集まるところに行って、広く俺達のことを知ってもらおう」
などと、アホなことを供述しており。
あまりにもアホ過ぎたので、俺は一瞬冗談かと思ったが。
その真剣な眼差しで、これは冗談の類ではないと判断。
従って、俺もまともに会話をしなければならなくなった。
「もっと人が集まるところって?」
「学外だよ。学内の学生達には、他のメンバーが配ってるから、もうこれ以上配っても無駄だと思うんだ」
あぁ、そりゃそうだろうね。
「もらった傍から、くしゃくしゃに丸められてゴミ箱に捨てられているビラも見た。あれじゃ駄目だ」
うん、俺も見たよ。
俺は正しい判断だと思ったけどね。
「それに、渡そうとしても、断る学生も多いし…」
うん、多いね。
「あぁ、そういうのはちょっと…」とか。
「あ、要らないっす」とか。
やんわり断られたり、きっぱり断られたり。
いずれにしても、断られていることに変わりはない。
俺は安心したよ。
ルティス帝国の若者達の中でも、まだまともな感性を持ち合わせている者がいるのだと。
希望が見えた気がしたね。
しかし、エリアスはそうではないらしい。


