前回までのあらすじⅤ



シェルドニア王国での一件が収まった頃。

ルティス帝国は、不景気の波に襲われていた。

そんなとき、とある新興宗教団体が台頭する。

教祖ルチカ・ブランシェット率いる、『天の光教』である。

やがて『天の光教』は、ルティス帝国全ての国民が『天の光教』に入信することと、腐敗したルティス帝国の王侯貴族制度を打破することを目標に、

国内各地で、様々なデモ活動を行い始める。

一時は、国民のほぼ全員が『天の光教』を応援する空気が出来上がっていた。

そこで、現状の政治体制を維持したいという利害の一致で、『青薔薇連合会』と帝国騎士団は結託、『天の光教』と敵対することになる。

結果、帝国騎士団による経済政策と、ルレイアが半ば強引に行った、シェルドニア王国との貿易によって、ルティス帝国の景気は回復。

それを機に、『天の光教』信者は、次第に求心力を失っていく。

この事態に焦りを感じた、教祖ルチカ・ブランシェットは、自らを殉職者として、帝国騎士団の面々と『青薔薇連合会』の幹部達を道連れにしようと、自爆テロを試みるが。

『青薔薇連合会』幹部、ルリシヤの仮面の勘により、これを阻止。

『青薔薇連合会』と帝国騎士団の共同戦線において、ルチカ教祖を逮捕、後に『天の光教』は解体され。

『天の光教』騒動は、幕を下ろしたのだった。




一方、ルティス帝国王室では、名を知られぬ一人の王子がいた。

その王子の名は、ルーチェス・ジュリアナ・ベルガモット。

彼は、前女王のローゼリア、現女王アルティシアの弟であったが、不義の王子であるとの影の噂のせいで、あまり存在を知られてはいなかった。

更に彼は、姉ローゼリアの腐敗した政治や。

帝国騎士団長オルタンスが行った、かつてのローゼリア女王暗殺未遂事件で、当時四番隊隊長だった人物(ルレイア)に罪を着せ、事件を隠蔽しようとした行為、

そして本人が持つ「自分の人生は自分で決めたい」との意志のもと、密かに王宮で鍛錬を積んでいた。

ある日彼は、憧れの存在であったルレイアがいる『青薔薇連合会』に、単身襲撃を仕掛け。

紆余曲折ありながらも、ルレイアの弟子となる。

その後ルレイアの紹介で、とある風俗店に勤める女性、セカイと出合い、彼女と結婚を誓い合う。

二人は互いに愛情を深め、『青薔薇連合会』でも、ルレイアの弟子として信頼を獲得していく。

しかし、王族が一般人との結婚をすることは許されず、更に母親である王太后に無理矢理、政略結婚させられそうになったことと、

その折に、セカイには『青薔薇連合会』傘下の反政府組織から、多額の借金があることで、今も脅されており、結婚は出来ないと言われてしまう。

ルーチェスは師匠ルレイアの流儀を見習い、これら全ての困難を打ち破る為に、力ずくで『青薔薇連合会』傘下の反政府組織を打倒。

結果的に、王族としての地位を追われることとなる。

が、代わりにフィアンセであるセカイを取り戻し、同時に、正式に『青薔薇連合会』に加入。

ルーチェス・アンブローシアと名前を変え、『青薔薇連合会』特務諜報員、別名『裏幹部』に任命され。

愛する人との結婚を果たした上に、実質『青薔薇連合会』の幹部に上り詰めたのだった。