The previous night of the world revolution6~T.D.~

…まず、前提として。

大昔の王族じゃあるまいに、一人の男が頂点に立つハーレムを、現代で築いているのがおかしい。

誰ももうツッコまないから、敢えて俺がツッコむが。

ハーレムがあるってこと自体が、既におかしい。

それも、そのハーレムに入会している人数。

なんと、口にするのも憚れるような数字らしい。

ウン十人どころじゃないらしいぞ。

しかもその中には、女性だけではなく、男性も一定数含まれているとか。

おまけに、ハーレム会員は国内だけに留まらず。

海外にも、ハーレム会員は点在しているそうだ。

そして何より恐ろしいのが、その大勢のハーレム会員の頂点に立つのが。

目の前にいる、この男だという事実である。

もしかして俺は、とんでもない人間と同居しているのでは?

今更過ぎて、草も生えない。

毎回ご飯美味しいなーと思ってたら、そういうことだったのか。

そりゃあ、ウン百人単位でハーレム会員がいるなら。

中には、帝都の星付きレストランでシェフをやっている会員もいるだろう。

そしてこの人は、その会員達に命じて、食事を作らせ、持ってこさせていたと。

そういうことだったのか。

済みません、お店からデリバリーしてるのかと思ってました。

「ち、ちなみに、あの…」

「あん?」

「費用とか…その、お礼とかは。半分は俺なので、半分負担します」

「何ですか費用って」

無償で作らせてるんですか。そうですか。

それがあなたの常識ですか。非常識ですね。

今すぐ札束を持って、彼女達のところに行って、いつもありがとうございますとお礼を言いたい。

「お礼なら、ちゃんとしてますよ」

おっ?

そうなのか。

そうだよな。いかにルレイア殿でも、女性を無償で家政婦扱いするなん、

「ちゃんと定期的に、『エサ』を与えてますよ」

…?

「え…エサ…?」

俺はこのとき、ルレイア殿の言うところの、「エサ」の意味が分かっていなかった。

出来れば、一生知りたくなかった。

「察しが悪いですね。会員の女達は、定期的にホテルに連れて行って、まとめて朝までピーーしてあげてるんですよ。俺、優しいですから」

俺の知ってる優しさと違う。

そうか。そういうことだったのか。

悪魔だ。

色欲魔だ。

あまりのおぞましさに、わなわなと震える俺を無視して。

「一人ずつ、ちゃんと天国に連れて行ってあげてますよ。何せ俺のピーーテクニックと言ったら、国内最高峰と呼ばれていますからね」

知りたくなかった。そんなこと。

え?俺、本当にこの人と同居してて大丈夫?

何かあの、恐ろしいものに汚染されそうな気がする。