The previous night of the world revolution6~T.D.~

「…帰ることになりました。ルティス帝国に」

「ほう。良いことじゃないか」 

「良いことのはずなんですけどね。僕にとっては、あまり良いことではありませんね」

「そうか」

「そうです」

「それって、私にとっても、あんまり良いことじゃないのかな」

「多分、そうだと思います」

あなたが、僕と同じ気持ちなら。

「…もしかして、ルティス帝国に帰るのは、一人だけなのかな?」

…あぁ。

今この瞬間、僕がシラミであったなら。

セカイさんの髪の毛にくっついて、一緒にルティス帝国に帰るのに。

いや待て。シラミは駄目だ。空港の検疫に引っ掛かる。

そうか…。シラミになっても…駄目だと言うのか…。

…切ないな。

「…はい。一人だけです」

「一人だけ?」

「一人だけです」

「ルーチェス君だけ?」

「僕だけですね」

「私は置き去り?」

「そうなりますね」

「ん〜っ…」

セカイさんは、声にならない唸り声をあげてから。

ぼふん、とベッドに大の字に寝そべった。

…。

「…感想をどうぞ」

「…私が、ノミだったらなー…」

セカイさんは、ポツリと呟いた。

「ルーチェス君の頭にくっついて、一緒に帰るのになー…」

「セカイさん…」

図らずしも、僕と発想が一緒。

似た者夫婦ってことで良いですかね。

しかし。

「…セカイさん」

「何じゃい」

「ノミも、多分検疫で弾かれます」

「そうかぁ〜…。良い作戦だと思ったんだけどなぁ…」

僕も、一瞬良い作戦だと思ったんですけどね。

やっぱり、駄目みたいです。

寄生虫は基本無理。

ルティス帝国って、案外検疫厳しいんで。