The previous night of the world revolution6~T.D.~

――――――…私は、予定通り。

『オプスキュリテ』の頭目を、安全に帰した。

思っていた通り、彼はクロではなかった。

私はハナから、彼が『帝国の光』の武装化に一枚噛んでいるとは、思っていなかった。

本人が言う通り、『オプスキュリテ』の扱っている武器にしては。

ルリシヤから、制服を通じて送られてきたこの武器リストは、あまりにもお粗末過ぎる。

『オプスキュリテ』の頭目を帰してから、私は再度、ルリシヤの制服を読み返した。

「…」

『black sacrifice』を通じて、華弦さんが届けてくれた瞬間から。

もう、何度も読んだ文章。

そこに書いてある文字を、私は今一度、噛み締めるように読んだ。

「…しかし、これ、すげーよな」

横で見ていたアリューシャが、ポツリと言った。

うん?

「何がだ?」

と、ルルシー。

「だってよ、こんなん、パッと見分からんぜ?ただの制服にしか見えん。何だっけ、何とか線でしか見えないって奴…」

「あぁ…赤外線カメラな」

そう、赤外線カメラ。

ルリシヤは、監視の目を謀る為に。

制服を便箋代わりに、特殊な塗料を用いて手紙を送ってきた。

目視で読むことは出来ず、こうして、赤外線カメラを通して、ようやく文字が浮かび上がってくる。

武器を買うにも苦労している、慢性的な資金不足の『帝国の光』に。

まさか、赤外線カメラで郵便物をチェックする余裕はないはず。

そう踏んで、ルリシヤはこんな手段を用いて手紙を送ってきてくれたのだ。

手紙って言うか…紙じゃないから、手制服?

そこに書かれていたよ。

『帝国の光』が、こっそり武器を集めていること。

その武器の型番まで、覚えている限り詳細に。

だから、読み取った私がそれをリストアップして、『オプスキュリテ』の頭目である、ジュリスに見せた。

予想通り、『オプスキュリテ』は『帝国の光』とは通じていなかった。

つまり、『帝国の光』は、他のルートから武器を買い集めているのだ。

そしてそのルートは、「非正規ルート」だ。

それ故に、こんな型遅れの…ジュリス曰く、骨董品だそうだが。

確かに、こんな型遅れの武器は、『青薔薇連合会』では、まずお目にかかれない。

あまりにも古過ぎる。

うちの末端構成員でさえ、もっと良い拳銃を持ってるよ。

そして『帝国の光』には、「正規ルート」で武器を買う為のコネがない。

従って、こんな骨董品で武装している訳だ。

ジュリスの言った通り、骨董品で武装した連中なんて、私達の敵ではない。

…でも。

さっきから私が心配しているのは、そういうことではないのだ。