The previous night of the world revolution6~T.D.~

で、そんな人外生物の集まりである『青薔薇連合会』が。

今はしがない武器商人である俺に、一体何の用だ?

おっかないから、出来れば早めに済ませて欲しいところだが…。

次期首領様の、この険しい顔を見たら。

どうやら、キナ臭い話が待っていそうな雰囲気だな。

まぁ、昨今のルティス帝国は、『天の光教』だ王制打破だなんだと、殺伐としていたからな。

『青薔薇連合会』も、無関係ではいられなかったのだろう。

そもそも、こんな裏稼業やってる時点で。

キナ臭い話から逃れようったって、そうは問屋が卸さない。

「…早いところ、済ませて欲しいんだが。一体これは、何事なんだ?」

「…君に聞きたいことがある」

と、重い口を開く次期首領。

聞きたいこと?

「君達『オプスキュリテ』は、非合法組織相手に、武器の売り買いを生業としているらしいけど」

「そうだな」

「私達『青薔薇連合会』と、その系列組織以外の組織とは、取引をしているの?」

「…」

…つまり。

俺達には、『青薔薇連合会』以外の顧客がいるのか、という質問か。

愚問だな。

「いくらお得意様でも、取引相手の情報を漏らす訳にはいかねぇよ」

「…」

「悪いが、こっちも商売なんでね」

慈善事業じゃあないんだ。

取引相手の情報をバラして、『青薔薇連合会』にそこを潰されたら。

こちとら、商売あがったりだ。

すると。

「てんめぇぇ!アリューシャ達が今、どーゆーじょーきょーか分かってんのか!?」

怪物スナイパー幹部が、立ち上がって言った。

いや…俺はあんたらの状況なんて、知らないが。

まぁ、良い状況じゃないのは、確かなようだな。

「アリューシャは分かってるぞ!アイ公が絵本にして、教えてくれたからな!」

ドヤァ、と謎のドヤ顔を見せるスナイパー幹部。

…むしろ、絵本にしてもらわないと分からなかったのか?

「…馬鹿アリューシャ。余計なことを言うな」

次期首領じゃない、死神の相棒の方の幹部が。

呆れを通り越して、嘆くように言った。

成程、さすが『青薔薇連合会』。

曲者揃いの幹部をお持ちのようで。

しかし、なおもスナイパー幹部の舌鋒は続く。

「お前アレだぞ、アリューシャに逆らったらなぁ…。アリューシャのライフルが火を吹くぞ!」

マジかよ。

それはさすがに危険過ぎるので、そのときは緊急脱出を考えよう。

精神年齢はアレだが、狙撃術だけは本物のようだからな。

『青薔薇連合会』の怪物スナイパーに、本気で狙われたら、さすがの俺も逃げ切れる気がしねぇ。

どうすりゃ良いんだよ、俺は。

顧客の情報を漏らす訳にはいかない。商売人として、それは絶対譲れない。

一度でも信用を失えば、商売人は終わりだからだ。

かと言って、一番の顧客である『青薔薇連合会』を敵に回したら、それはそれで商売が終わる…。

さて、どう切り抜けたら良いものかと。

考えた、そのとき。

「ちょっと落ち着いて、アリューシャ。そんな脅すような言い方したら、ジュリスさんに失礼だよ」

次期首領幹部が、落ち着いた声で言った。