The previous night of the world revolution6~T.D.~

まずは手始めに、『black sacrifice』に返還する制服。

こちらに、たっぷりと小細工をさせてもらうことにする。

華弦にある程度の状況を伝えたものの、あれはあくまで、あらかじめ暗号によって決めた、大雑把なもの。

当然、事の詳細までは伝わっていない。

だから、その詳細を伝える。

その為に、この制服を利用させてもらう。

え?手紙を書いて、ポケットに忍ばせて送れば良いじゃないかって?

そう思った君は、スパイには向いてないな。

俺は現状、ヒイラの側近として信頼を得たとはいえ。

完全に信じてもらえている訳ではない。

むしろ、ヒイラとしては、今、この状況を狙っているはずだ。

向こうが胸襟を開いて情報を明かし、ようやく監視付きの生活から解放され。

その解放感によって、気が緩む瞬間。

間違いなく、ヒイラはこの瞬間を睨んでいる。

気が緩んだ瞬間、俺が何かボロを出さないかと、より一層警戒を強めているはず。

あの狡猾な男のことだ。

俺が出す郵便物は、葉書の一枚でさえ、隅々までチェックするはずだ。

ポケットに手紙なんて入れたら、間違いなくバレるに決まってる。

裏地に忍ばせても無駄だ。

故に。

こんなこともあろうかと作っておいた、アレを使用するときが来た。

何でも、備えあれば憂いなしだな。

俺はアレを使って、この制服で『青薔薇連合会』に情報を伝える。

「…よし」

あとは、これを包んで『black sacrifice』宛に送るだけ。

荷物が届けば、あとは華弦を通じて、アイズ先輩達が解読してくれることだろう。