The previous night of the world revolution6~T.D.~

そして、この場合の次の手は。

「店長なら繋がるかもしれない。ちょっと、店長に掛けてみる」

「…分かった」

俺は、何気ない風を装って、今度は別の電話番号にコールする。

『black sacrifice』に置いてある、別の携帯の電話番号だ。

そして、こちらに掛けた場合は。

『…はい』

約束通り、五コール以内に出てくれた。

おまけに、幸いなことに。

電話に出てくれたのは、他ならぬ、俺の連絡係となってくれている華弦だった。

有り難い。

彼女なら、話も通じやすい。

「あ…店長。済みません、今、ちょっと時間良いですか」

『…えぇ、構いませんよ』

華弦の声が、やや緊張しているのが分かった。

ごめんな。お察しの通り、こちらは緊急事態なんだ。

ヒイラが横で聞き耳を立てているどころか。

この電話自体、盗聴されていると思って良い。

この地下に来たときから、俺は360度、全方位から監視されているも同然なのだ。

でも。

そんな事態も、スパイとしては想定済み。

伊達に、『青薔薇連合会』の元祖盗撮・盗聴王の名を名乗ってないぞ。

「申し訳ないんですが…。別に仕事を見つけたので、今日からもう、そっちには行けなくなりました」

『…!』

普通だったら。

こんな無責任なバイトのやめ方、常識人としてどうかと思うけどな。

仕方ないだろう。ヒイラの言うように、バックれなかっただけマシだと思ってくれ。

「済みません、いきなり…」

『いえ…。それは構いませんが』

普通は構うと思うけどな。

『ロッカーの荷物は、どうしましょう?』

…来た。

ここからが、俺の決めた符丁の本領発揮だ。