The previous night of the world revolution6~T.D.~

と、俺は疑問を抱いたが。

当然、それをヒイラに指摘することはなかった。

ヒイラがこのまま、これらの武器の本当の恐ろしさに気づかず。

初めての武器を前に、臆する若者達の革命軍を組織して、帝国騎士団に挑むなら。

それはそれで、こちらとしてはアリだ。

そんな烏合の衆、帝国騎士団が簡単に制圧してくれる。

だから、ヒイラが無知なら、その方が都合が良い。

わざわざ指摘して、敵に塩を送る必要はない。

それに、さっきも言った通り。

「『帝国の光』と、系列組織の同志達に配るには、まだ全然足りないんじゃないか?」

こんな粗悪品でも、非正規ルートから集めるのには、苦労したのだろう。

これ以上、それこそ『帝国の光』や他組織の人間に配るには、全然足りていない。

これじゃあ、革命軍の組織をしようとしても。

大半の兵士が、自宅からキッチンナイフを持ってこなければならない羽目になるだろう。

うん、やっぱり、それはそれでアリなんだがな。

こんな粗悪品でも、ヒイラにとっては、核爆弾でも手にしたような気分なのだろうから。

これらの武器を過信して、無謀に突き進んでくれるなら。

その方が、俺達にとっては都合が良い。

たったこれだけの、しかも粗悪な武器を使う素人の集団なら。

帝国騎士団どころか。

シュノ先輩の部隊を一つ、派遣するか。

ルレイア先輩一人を、一人放り込むか。

このどちらかで、あっさり片付いてしまいそうだな。

そのルレイア先輩に、ルルシー先輩もセットでくっつけて投入したら。

多分、ものの五分足らずで、試合終了だ。

って言うか、初めて手にした武器にビビって、勝手に自爆してくれるのでは?

すると。

「そうだな。まだまだ、全然足りてないだろうな」

ほう。足りてない自覚はあったのか。

ヒイラも、少しは分かっているようだ。

「だから、これからも献金を集めて、武器を仕入れるつもりでいるよ」

「…そうか…。その武器は、一体何処から仕入れてるんだ?」

かなり、突っ込んだ質問だったので。

答えてくれるか、怪しいところだったが。

「色々だよ。闇から流れてくる武器を買うんだ。違法だから、勿論安くはないけどな」

意外に、あっさりと答えてくれた。

成程、この武器庫を見せられた時点で、俺は少なからず。

ヒイラからの信用を得ていると、判断しても良さそうだ。

とはいえ、そんなふわふわした回答では、答えになってないのだが。

少なくとも、『青薔薇連合会』が取引している武器商人から斡旋された訳ではなさそうだ。

ちらっと見ただけでも分かる。

武器の型番が、『青薔薇連合会』で使ってるものとは全く違う。

それどころか、全く見覚えのない代物もある。

恐らくは、国外から流れてきたものなのだろう。

「成程…」

「それで、同志ルニキスには、やってもらいたいことがあるんだ」

…。

「…やってもらいたいこと?金の計算か?」

「それはもう良いよ。他の人に任せることにする」

そうか。

じゃあ、銀行の窓口業務は、もう終わりだと思って良いんだな。

「君にやってもらいたいことは、三つある」

と思ったら、銀行窓口の方が楽だったか?