The previous night of the world revolution6~T.D.~

『帝国の光』が、密かに武器を所持している。

告発すれば、今すぐにでもヒイラ達を、ブタ箱に放り込めるな。

まぁ、あんな矛盾した演説をしている時点で、何となく予感はしていた。

結局はこれだ。

ルチカ・ブランシェットと同じだ。

苦しんでいる人を救うという名目で、暴力に訴える。

それによって、また別の人が苦しむことになっても。

これをエゴと呼ばずして、何と言おう。

そしてこの男には、箱庭帝国のルアリスのように、そのエゴを背負って生きていく覚悟があるのか?

その器が、この男にはあるのか。

「…お前の考えは分かった、同志ヒイラ」

「そうか。それは嬉しいよ」

「だが、ここにある武器を使っても、帝国騎士団に対抗するのは難しいと思うぞ」

『帝国の光』が、武器を所持している可能性は、常に考えていた。

『天の光教』だって同じことをしたのだ。

その後継組織である『帝国の光』が、何故非武装だと信じられる。

今すぐにでも革命を起こす覚悟だ、と再三大言壮語言い触らしてるヒイラのことだ。

アジトの地下に武器を隠すことくらい、予測範囲内だ。

その上で、気になるのは。

「難しい?」

「あぁ。数が少な過ぎる」

地下倉庫いっぱいに積み上げられた、大量の武器。

それでも、帝国騎士団や、ましてや「本業」である『青薔薇連合会』の武器庫と比べれば。

子供と大人どころか。

アリンコとティラノサウルスくらいの差がある。

まず、ルティス帝国では、こういった重火器の所持、使用は禁じられている。

当然、そこらのスーパーに売っている代物でもない。

武器流通の本職である『青薔薇連合会』は、このような武器の存在は認知していない。

よって、集められた武器を見る限り、どれも型落ちだったり、使い古されていたりと、『青薔薇連合会』では粗悪品とされる類の武器。

うちは何と言っても本職だからな。そのような粗悪な武器は使わない。

まぁ、ここにあるのは、違法に掻き集めた武器なのだろうから、仕方ないだろう。

ヒイラに、そのような武器の良し悪しが分かっているのかは知らないが。

少なくとも、いつだって正規ルートから武器を仕入れ、常に一級品を所持している帝国騎士団や。

こちらはこちらで、「裏の正規ルート」から武器を仕入れ、これまた常に一級品を所持している『青薔薇連合会』と、対等に渡り合える武器ではない。