そう言うと、ヒイラは打って変わって、明るい笑顔になった。
「さすがだよ。やっぱりお前は、スパイでも何でもなかった。ちゃんと、俺達『帝国の光』の仲間なんだ」
「当たり前だろう」
そういう風に見えるように、俺がどれだけ苦労していると思う。
「これは一体、何の儀式だ?」
「ごめんごめん。いや、俺は君を疑ったことなんて、一度もなかったんだけどさ」
嘘をつくな。
疑いまくりだったじゃないか。
今までも、ついさっきも。
「でも、これからここの地下を見せる為には、必要な通過儀礼だったんだ」
通過儀礼。
やはり、そういうことか。
さっきの「スパイなんだろう?」という問い掛けは、鎌をかけていただけだったんだ。
危うく動揺していたら、本当に拷問室送りだったな。
そんなヘマをする俺ではないが。
残念だったな。俺を吐かせたいなら、中世から近代までの、古今東西全ての拷問道具を一ダース用意するところから始めることだ。
それでも、吐くつもりはないが。
仲間を売るくらいなら、舌を噛んだ方がマシだ。
「君なら大丈夫だな。ごめんな、疑うようなことを言って」
「いや…。それは別に良いが…」
そんな下らない小細工を使ってまで。
俺に一体、何を見せたいんだ?
俺達が向かう地下に、一体何がある?
「俺は一体、何を見せられるんだ?」
「大丈夫だ。これからの俺達に、必要なものだよ」
これからの俺達に、必要なもの。
それって…。
静かな音を立てて、エレベーターが目的地に辿り着いた。
エレベーターが開いた先には、暗い空間が広がっていた。
そして俺は、嗅いだ覚えのある匂いを感じた。
…火薬の匂いだ。
これは、もしかして…。
「さぁ、こっちだ。見せたいものがあるって言ったろ?」
「…」
ヒイラに導かれ、向かった先。
「俺だ。同志ルニキスを連れてきたから、見せてやってくれ」
ヒイラが、地下にいた同志の一人に、明るくそう言った。
こいつは、俺よりも先に、ヒイラの信用を得ていた人物ってことか。
軽く頷いた同志は、壁に手を伸ばし、何かのスイッチを入れた。
真っ暗だった空間が、明るく照らされた。
そして、俺は次の瞬間、今度こそ、驚く羽目になった。
いや、驚いたって言っても、ある程度予測はしていたのだが。
少なくとも、さっき「スパイだろ?」と言われたときよりは、驚いた。
何に驚いたのか。
広い物置のような空間に、泰然と鎮座していたブツの数々に、である。
「さすがだよ。やっぱりお前は、スパイでも何でもなかった。ちゃんと、俺達『帝国の光』の仲間なんだ」
「当たり前だろう」
そういう風に見えるように、俺がどれだけ苦労していると思う。
「これは一体、何の儀式だ?」
「ごめんごめん。いや、俺は君を疑ったことなんて、一度もなかったんだけどさ」
嘘をつくな。
疑いまくりだったじゃないか。
今までも、ついさっきも。
「でも、これからここの地下を見せる為には、必要な通過儀礼だったんだ」
通過儀礼。
やはり、そういうことか。
さっきの「スパイなんだろう?」という問い掛けは、鎌をかけていただけだったんだ。
危うく動揺していたら、本当に拷問室送りだったな。
そんなヘマをする俺ではないが。
残念だったな。俺を吐かせたいなら、中世から近代までの、古今東西全ての拷問道具を一ダース用意するところから始めることだ。
それでも、吐くつもりはないが。
仲間を売るくらいなら、舌を噛んだ方がマシだ。
「君なら大丈夫だな。ごめんな、疑うようなことを言って」
「いや…。それは別に良いが…」
そんな下らない小細工を使ってまで。
俺に一体、何を見せたいんだ?
俺達が向かう地下に、一体何がある?
「俺は一体、何を見せられるんだ?」
「大丈夫だ。これからの俺達に、必要なものだよ」
これからの俺達に、必要なもの。
それって…。
静かな音を立てて、エレベーターが目的地に辿り着いた。
エレベーターが開いた先には、暗い空間が広がっていた。
そして俺は、嗅いだ覚えのある匂いを感じた。
…火薬の匂いだ。
これは、もしかして…。
「さぁ、こっちだ。見せたいものがあるって言ったろ?」
「…」
ヒイラに導かれ、向かった先。
「俺だ。同志ルニキスを連れてきたから、見せてやってくれ」
ヒイラが、地下にいた同志の一人に、明るくそう言った。
こいつは、俺よりも先に、ヒイラの信用を得ていた人物ってことか。
軽く頷いた同志は、壁に手を伸ばし、何かのスイッチを入れた。
真っ暗だった空間が、明るく照らされた。
そして、俺は次の瞬間、今度こそ、驚く羽目になった。
いや、驚いたって言っても、ある程度予測はしていたのだが。
少なくとも、さっき「スパイだろ?」と言われたときよりは、驚いた。
何に驚いたのか。
広い物置のような空間に、泰然と鎮座していたブツの数々に、である。


