ヒイラがエレベーターのボタンを押したのは、上ではなく、下。
この建物の地下だった。
地下なんかあったのか、って?
あったんだよ。
俺は行ったことがなかったし、行くことを許可されてもいなかったから。
敢えて危険を犯してまで、行こうとはしなかったがな。
いずれ時が来れば、見せられることになるだろうと思っていた。
そして、今がその時ということか。
つまり、少しは俺も、ヒイラの信用を得られたってことか?
それとも尻尾を掴まれ、地下拷問室で拷問されるのだろうか。
ふむ、それは恐ろしいな。
逃げるのが大変そうだ。
とはいえ、行く先が拷問室だったとしても、俺は特に心配してない。
シェルドニア王国からも脱出した俺が、今更国内の、帝都のビル地下に閉じ込められたところで。
楽勝過ぎて、俺の仮面が笑ってる。
すると。
エレベーターに乗りながら、ヒイラが口を開いた。
「なぁ、同志ルニキス」
「何だ?」
「君、本当は帝国騎士団のスパイなんだろ?」
「…………は?」
それは、あまりにも唐突な問いかけだった。
この建物の地下だった。
地下なんかあったのか、って?
あったんだよ。
俺は行ったことがなかったし、行くことを許可されてもいなかったから。
敢えて危険を犯してまで、行こうとはしなかったがな。
いずれ時が来れば、見せられることになるだろうと思っていた。
そして、今がその時ということか。
つまり、少しは俺も、ヒイラの信用を得られたってことか?
それとも尻尾を掴まれ、地下拷問室で拷問されるのだろうか。
ふむ、それは恐ろしいな。
逃げるのが大変そうだ。
とはいえ、行く先が拷問室だったとしても、俺は特に心配してない。
シェルドニア王国からも脱出した俺が、今更国内の、帝都のビル地下に閉じ込められたところで。
楽勝過ぎて、俺の仮面が笑ってる。
すると。
エレベーターに乗りながら、ヒイラが口を開いた。
「なぁ、同志ルニキス」
「何だ?」
「君、本当は帝国騎士団のスパイなんだろ?」
「…………は?」
それは、あまりにも唐突な問いかけだった。


