The previous night of the world revolution6~T.D.~

『…卑怯?卑怯って…』

『卑怯ですよ。だってそうでしょう?言ったじゃないですか。『ルティス帝国を考える会』は、どんな意見でも尊重されるって。あなたがそう誘致したから、俺は会に入ったんです。それなのに、反対意見を言うから、お前だけ出ていけって、おかしくないですか』

ルーシッド。

お前、ちゃんと言えるじゃないか。

良いぞ、その調子だ。

俺は今、全力でルーシッドを応援している。

『いつから『ルティス帝国を考える会』は、『ルティス帝国を共産主義国家にする会』になったんですか?ルティス帝国をより良くする為の方法を、皆で考えるんじゃなかったんですか。それなのに、いつの間にか訳の分からない組織の言いなりになって、皆で考えるという会の原則すら放棄している』

『帝国の光』、訳の分からない組織呼ばわり。

実際、帝国騎士団側のルーシッドにしてみれば。

『帝国の光』なんて、訳の分からない組織以外の何物でもないだろうしな。

ちなみに、俺にとっても、超訳分からん組織だと思ってる。

『あまつさえ、個人を攻撃して、出ていけって何ですか?あなたに、そんな権限があるんですか。学生会に訴えても良いんですよ』

確かに、大学規則の一覧の中に、

『サークルのリーダーは、強制的にメンバーの一人の脱会させる権限を持つ』とは、書いてなかったな。

しかし、訴えるとはまた大胆な。

良いぞ、俺としては、それくらい過激な言い方の方が好み。

『そ、それは…』

突然のルーシッドの反撃に、言葉に窮するエリミア。

ざまぁ。

『しかも、個人的に呼び出して脱会を迫るなんて、卑怯ですよね。自分でも自覚してるんでしょう?会長とはいえ、メンバーの一人を名指しで脱会を迫るなんて、いけないことだって。だから、こうして皆の見てないところに呼び出した』

そうだな。

『帝国の光』の講演の後、ルーシッド批判を諌め、月曜日に結論を先延ばしにしたのは、

こうして、後になってルーシッド一人を個人的に呼び出し、脱会させるつもりだったからなんだろう。

おかしいと思ったよ。

そうだな、ルーシッドさえ追い出してしまえば。

あとは、自分の意見に賛成する者しかいない。

だから卑怯だって言われるんだよ、エリミア・フランクッシュ。

『悪いと思ってないなら、皆の前で言えば良いじゃないですか。皆の見てないところで言うなんて、あなたは卑怯だ』

きっぱりと言い切るルーシッド。

良いぞ、もっと言ってやれ。

今俺がルーシッドの隣にいたなら、両手にメガホンを持って、全力応援してる。

ついでに、野次も飛ばしまくってやる。

『しかも、脱会を迫る口実は、あくまで俺の為?俺の居心地が悪いだろうから、って?余計なお世話です。ようは、俺が邪魔だから出ていけって言ってるんでしょう』

『…』

言い返せないエリミア。

さっき言ってたもんな。君邪魔なんだよ、って。

『このこと、学生会に訴えたらどうなるでしょうね。事の次第を全部訴えたら、『ルティス帝国を考える会』はどうなるんでしょうね』

出た。切り札。

何処の世界でも、どんな社会でも通用する、魔法の一言。

「先生に言いつけるぞ!」作戦。

そしてそれは、大抵の場合効果抜群である。

『ルーカス君…!それは…!』

案の定、エリミアにもぶっ刺さりである。

もう、面白過ぎて腹痛い。