The previous night of the world revolution6~T.D.~

しかし、そう来たか。

闇討ちじゃなかったのは幸いだが。

これはこれで、変化球の闇討ちだな。

『脱会って…何で…』

これには、ルーシッドも唖然。

まぁ、そうなるわな。

『何でって、分かるでしょ?身に覚えがあるでしょ?』

ルーシッドが、『ルティス帝国を考える会』からの脱会をせがまれる理由なんて。

そんなの、サークルメンバー全員が知っている。

『…俺が、いつも反対意見ばかり口にするからですか?』

勿論、ルーシッドも分かっている。

『君がどういう意図で、いつもあんなことばっかり言ってるのか分からないけど…』

『俺は別に、反対意見を口にしているつもりはありません。いつだって、ルティス帝国を思っているからこその発言です』

おぉ、言うねぇルーシッド。

さすが帝国騎士団の隊長様は、愛国心が違うよ。

『それがたまたま、皆さんの意見と違うというだけで。それなのに、何故俺が脱会を迫られるようなことになるんですか?』

『分かるでしょ?私達は、『帝国の光』から誘いをもらって、その誘いを受けようとしてる』

『知ってます』

『でも、君はそれにも反対するんでしょ?』

反対するの?じゃなくて。

反対するんでしょ?だからな。

もう、ルーシッドのこと全然信用してないのが丸分かり。

人望のない奴だなぁ、お前。

俺を見習ってくれ。

『…そうですね、俺は反対です』

少し考えて、ルーシッドはそう答えた。

あくまで、「反対意見を口にする」自分のポジションを崩さないか。

『何で?何でいつも、反対ばかりするの?分からない?ルティス帝国の未来を救うには、私達のような意見や、『帝国の光』の掲げる思想が必要なんだよ』

『ルティス帝国の未来を思っている気持ちは、俺だって同じです。ただ、やり方が違うというだけで』

『今のやり方で良いって思ってるの?王族や貴族達だけが、権力を独り占めしてるのに?』

『確かに王族や貴族は権力を持っていますが、その力を、国民達に還元しているじゃないですか』

うん、ルーシッド。君良いこと言うね。

ルティス帝国の王室や貴族達が、単に権力を握り締めるだけで、国民達を虐げていたなら。

今頃ルティス帝国は、昔の箱庭帝国のようになっていただろう。

そうなっていないのは、国民達から徴収した富を、ちゃんと国民達の為に還元しているからだ。

エリミア達は、気づいていないのかもしれないけど。

お前が毎日通ってるあのキャンパス、実は国が作ってくれたんだよ。

知ってた?

しかし、エリミアはそんな単純なことにも気づいていないらしかった。