The previous night of the world revolution6~T.D.~

ルーシッドが、デートに出掛けていったので。

俺は、エリュシアに紅茶を淹れさせ、優雅に足を組み。

ルーシッドとエリミアの会話を聞く為、片耳にイヤフォンをつけて。

さて、他人のデートシーン盗聴会といこうか。

なんて優雅な趣味だろう。

本当は、ワインでも片手に聞いていたいところだが。

残念ながら、これでも一応仕事中ってことになるので。

シラフでいた方が良いだろう。

闇討ちなんて言って、ルーシッドをビビらせはしたが。

俺はそんなに心配していない。

これから本格的に活動を始めようとする『帝国の光』が、殺人や誘拐という危険を犯すとは思えないからだ。

人を殺すとか攫うとか、簡単なことのようで、実は非常に難しい。

確かに、その行為自体は簡単に出来るのだが。

しかし、それを全く証拠の一つも残さず、闇に消すのは難しい。

そういうことに精通している、マフィアの俺が言うのだから、間違いないと思ってくれ。

人間、完全に一人で生きてる訳じゃないからな。

そいつがいきなり、何の前触れも無く消えたら。

誰だって、不思議に思うだろう?

人が一人いた痕跡を、完全に消すのは至難の業。

ましてや、共産主義思想を拗らせただけの、ガキ共の集まりには、荷が重いだろう。

それに、ルーシッドだって、素人ではない。

帝国騎士団四番隊隊長の名は、伊達ではない。

俺だって、かつてはそこにいたのだから。

ナイフを持たせはしたものの、例え20人に囲まれたって、素人相手なら素手で倒せるはずだ。

だから、特に心配はしていない。

それより、気になるのは。

『…会長…お待たせしました』

『あぁ、ルーカス君…。ごめんね、いきなり呼びつけて』

『あ、いえ…』

お、来た来た。

他人のデートシーンを盗聴する。

いやぁ、最高に楽しい瞬間だな。

え?悪趣味?

黙れ。