The previous night of the world revolution6~T.D.~

しかし。



その話に裏があったことを知ったのは、その日の夕方遅く。

俺とルーシッドが、潜伏先のマンションに戻ってからのこと。

俺もルーシッドも、それぞれ所属する機関に…つまり、『青薔薇連合会』と帝国騎士団に、

今日の、『帝国の光』の講演内容の音声記録を送った。

まぁ、俺の場合、その必要はないだろう。

『帝国の光』には、既にルリシヤが潜入しており。

あのルリシヤが、ヒイラの演説を録音していないはずがないからだ。

とはいえ、一応な。

で。

これからのことだが。

俺が話すまでもなく、ルーシッドの方から話しかけてきた。

お互い、ゴスロリ印のソファに向かい合って腰掛け。

「…本気なんでしょうか」

「…」

…どうやら、ルーシッドも、俺と同じ感想らしいな。

「対話と相互理解で、政治体制を変えようなんて…。いくらなんでも不可能でしょう」

「…まぁ、奴も何処まで腹の中を明かしてるか、分かりませんからね」

「あ、はい…。それはそうですけど」

あれは建前で、本当はもっと壮大な夢を見ている可能性は、充分にある。

と言うか、実際そうなんだろう。

自分の組織を表と裏に分け、仲間であるはずのルリシヤを、徹底的に監視する、なんて。

対話と相互理解で国を変えよう!などと宣う、夢見がちなお坊ちゃんの考えることじゃない。

あの甘ちゃんなルアリスでさえ、国を変えるには武力が必要だと知っていた。

あまつさえ、『帝国の光』という一つの組織を興し、『青薔薇連合会』や帝国騎士団の頭痛の種になるくらいなのだから。

そんな夢見がちお坊ちゃんだったら、こんなに苦労してない。

今すぐ撤退して、ルルシーの腕の中に飛び込んでるよ。

「ヒイラ坊やの真意については、ルリシヤも探ってくれてますし、『考える会』が『帝国の光』と繋がるなら、俺達の方からも…」

「え、あ、はい」

「…あ?」

いきなり、スマートフォンの着信音が割って入った。

俺のじゃない。

ルーシッドのだ。

こいつ、着信音デフォルトじゃん。だっさ。

俺?『frontier』。

こんなときに誰だ、と思ったら。

「…!」

ルーシッドが、スマートフォンの画面を見て、目を見開いた。