The previous night of the world revolution6~T.D.~

ルーシッドが、水を差すなり。

その場は、しんと静まり返った。

「お前、何言ってんの?」みたいな視線が、ルーシッドに突きつけられた。

頑張れルーシッド。

俺だけは、お前の心の友(笑)だから。

「『帝国の光』は、ルティス帝国総合大学の組織じゃありません。1サークルに過ぎない俺達が、外部の組織と繋がるなんて、そんなの勝手に決めて良いんですか?」

「…別に、大学からは止められていないけど。そんな規則もないよ」

エリミア会長が、冷たい声で答えた。

もう、ルーシッドに対する嫌悪を、隠そうともしないな。

「だとしても…。ここは、『ルティス帝国を考える会』のはず。『ルティス帝国を共産主義化する会』じゃありません」

よく言った。

「『帝国の光』は、明らかに偏った共産主義思想の組織です。ルティス帝国をより良くする為に、共産主義化が不可欠だとでも?そんなことはないはずです」

「…私は、そうは思わないけど。皆はどう思う?」

エリミア会長が、他のメンバーに尋ねると。

彼らは、口を揃えたように。

「ルティス帝国をより良くする為に、共産主義化が必要なら」

「問題は、共産主義とか、制度の問題じゃないだろ。差別をなくすことが大事なんだ」

「『帝国の光』は、全ての国民を平等にすると言ってたわ。その為なら、制度なんてどう変わっても良いじゃない」

だ、そうですよ。

馬鹿の極み過ぎて、そろそろ草も生えなくなってきた。

お前、ルティス帝国を平等にする為に、一回爆弾落として更地にしますね、って言われたら、賛成するのか?

お前が言ってるの、そういうことだぞ。

それなのに。

「むしろ、ただの大学の1サークルに過ぎない俺達が、『帝国の光』という大きな組織に貢献出来ることを、喜ぶべきだろ」

とうとう、意見の押しつけが出たぞ。

『ルティス帝国を考える会』とは、一体何だったのか。

お互いの意見を尊重するという原則は、何処に消え去ったのか。

「今は、『帝国の光』の理想実現の為に、俺達ルティス帝国の若者が、一丸となって戦わなきゃならないときだ」

「そうです。ヒイラ党首の言葉を聞いてなかったんですか?私達が、この国を変えるんです」

「こんな大事な時期に、何で皆の腰を折るようなことばかり言うんだ?」

「…っ」

皆に責め立てられ、ルーシッドは口を噤む。

酷い言われようだよな。

「そもそもお前は…」

と、更なる糾弾が飛んできそうになったとき。

「そうね、分かった。じゃあ、こうしましょう」

エリミア会長が、打って変わって笑顔になり。

パンと手を叩いて、皆をまとめた。