The previous night of the world revolution6~T.D.~

いつか来るだろうと思ってたよ。

でも、このタイミングとは。

エリミア・フランクッシュ、あんたも狡猾な女だな。

『帝国の光』の講演を聞き、皆がハイになってる状態で。

反対意見を言いにくい状況を敢えて作り出した今、それを口にするとは。

エリアス達を含め、多くのメンバー達は、突然の会長の発表に驚いていたが。

俺は驚かなかった。

俺とルーシッドは。

何故なら、事前に聞いていたからである。

盗聴器でな。

もうしばらく前から、『ルティス帝国を考える会』は、『帝国の光』と接触していた。

『帝国の光』側から、『ルティス帝国を考える会』に打診があったのだそうだ。

「俺達と一緒に活動しない?手を組まない?」って。

エリミア会長とその側近達は、当然即答。

だが、一応平等主義を掲げる『ルティス帝国を考える会』として。

会長の一存だけで、勝手に決める訳にはいかなかった。

だから、『帝国の光』に対してはすぐOKを出したが。

俺達下級生に伝えるのは、機を待っていた。

そして今が、その機だ。

『帝国の光』がどういうものか、『帝国の光』を率いるヒイラ・ディートハットがどんな人物か。

実際に皆に見せて、聞かせて、馬鹿共が馬鹿みたいに感動しているところに。

「今ならなんと!あの『帝国の光』の仲間になれるんです!」という、詐欺みたいな手口で。

今頃になって、白々しくも俺達に伝えてきたのだ。

本当に詐欺だな。詐欺の常套手段。

訴えるところに訴えたら勝てるぞ。

まぁ、ルナニア・ファーシュバルとしては、反対意見を口にする訳にはいかないので。

他の馬鹿なメンバー達と同じように、馬鹿みたいに歓声をあげてみせた。

「俺達も、あの『帝国の光』に…!」

「凄いですね!『ルティス帝国を考える会』が、『帝国の光』の力になれるなんて…」

「本当。凄く光栄なことだよね」

皆、頭の中お花畑みたいで何より。

さて。

言うまでもないが、自分の役目は分かっているな?

皆の嫌われ者、帝国騎士団四番隊隊長。

「ちょっと待ってください。そんな大事なこと、今すぐ決めて良いんですか?」

その通りだ、ルーシッド・デルマ・スヴェトラーナ。

お前の役目は、いつだって反対意見…、

という名の、正論をぶちかましてやることだ。