The previous night of the world revolution6~T.D.~

私は、しばしじっくりと、いくつかのグループを見定め。

広々とした教室の、真ん中からちょっと後ろの方に座っている、四人のグループに向かって歩き出した。

「ねぇ、ちょっと良い?」

何気ない風に話しかけてはみたが。

実は、内心心臓バクバクである。

「…?何?」

お喋りに夢中だった彼女達は、訝しげに私を見た。

明らかに、警戒されてるのが分かった。

思わず、「あ、やっぱり何でもないです…」と、引き下がりたくなるのを、ぐっと堪える。

大丈夫、私だって出来る。

「この教室って、次、『ルティス帝国福祉学Ⅰ』の授業だよね?」

「そうだけど…」

「良かったぁ。この校舎、教室がいっぱいあり過ぎて、なんだか迷路みたいで」

教室の場所が分からない云々は、口実である。

それを言うなら、『青薔薇連合会』本部だって、相当だもの。

「ね、ここ、隣座って良い?」

そして私は、更に大胆な発言をした。

何度も言うが、内心心臓バクバクである。

「駄目、あっち行って」と言われたらどうしよう…と不安になるが。

「あぁ…うん、良いよ、どうぞ」

彼女達は、快くとは行かないまでも。

特に迷うことなく、隣の席に座らせてくれた。

じゃ、遠慮なく。

彼女達の横に座って、私は内心ホッと溜め息をついた。

良かった。アイズがアドバイスしてくれた通りだ。

「ちょっと無遠慮なくらいグイグイ押していった方が、案外向こうは断れないものだよ」と。

本当にその通りだった。

そして、私はアイズのアドバイス通り、遠慮せずお喋りに割り込んだ。

「私、編入生なの。だから、イマイチ教室の場所とかまだ分からなくて」

「あ、編入生なんだ。一人来るって聞いてたけど、あなたなのね」

「そう」

「名前何て言うの?」

名前。

勿論、『青薔薇連合会』で使っている本名を出す訳にはいかないので。

ちゃんと、考えてきた。

「ルナ。ルナ・エーオス。宜しくね」

何処から出てきたんだ、その名前、って思われるかもしれないが。

これでも、ちゃんと由縁がある。