…うん。
そう言われるだろうと思ってたから、驚きはしなかった。
そもそもアシュトーリアさんだけは、私が潜入任務につくのも、その為に必死に勉強しているのも、嫌がっていた。
やめろ、とは言わなかったけど…やめて欲しいという気持ちは、私も感じていた。
「それは…本当に、悪かったと思ってます」
「…それでも、決意は変わらないのね?」
「はい」
私は、きっぱりと答えた。
するとアシュトーリアさんは、またしても大袈裟なほどの溜め息をついた。
アシュトーリアさんが狭量だから、反対しているのではない。
それは断じて違う。
そうじゃなくて、アシュトーリアさんはただ、私の身を心配してくれているのだ。
アシュトーリアさんは、幹部皆のことを我が子のように思っているけれど。
特に私のことは、自分の愛娘のように可愛がってくれている。
ルレイアやルリシヤ達はともかくとして、女である私を危険な潜入任務につかせることに、最後まで難色を示していた。
これでも、アイズが頑張って説得してくれたのだ。
次期首領であり、アシュトーリアさんの秘蔵っ子であるアイズが、何とかアシュトーリアさんを宥めすかしてくれたお陰で。
ようやく、一応の了承は得られたけれど。
それだって、「アイズがそこまで言うなら…」と、渋々OKしたに過ぎない。
アイズが言うには、最初に「シュノがルーチェスの代わりに潜入を志願している」と伝えたとき、
アシュトーリアさんは、「駄目」と一言、取り付く島もなかったそうな。
そこをアイズが上手く、持ち前の交渉術を用いて、鉄壁の要塞のようなアシュトーリアさんを懐柔してくれたのだ。
で、何とかアシュトーリアさんも折れてくれた。
しかし、折れてくれたとはいえ。
今も反対していることに、変わりはない。
「厳しいことを言うようだけど…。シュノ、あなたはルレイアやルリシヤやルーチェスほど、潜入任務に向いてはいないわ」
…あぅ。
分かってはいたけど、はっきり言われると、やっぱりグサッと来る。
「ましてや、『赤き星』は、あのルーチェスでさえ手を引いたほど危険な組織なのよ?」
「それは…ルーチェスには、守るものがあったから。私には…」
「何を言ってるの。あなたにもあるでしよ。あなたに万一のことがあったら、残された私達はどうすれば良いの?」
「…」
それは…ごめんなさい。
としか言いようがない。
「あなたの心意気は買うけれど…でも、だからって、自分の力を見誤って命を失うような事があったら、取り返しはつかないのよ」
「…はい。分かってます」
重々、承知の上だ。
アシュトーリアさんが止めるのは分かる。
だって、自分でも自覚しているから。
私には、スパイとしての才能は、ほとんどと言って良いほどない。
そう言われるだろうと思ってたから、驚きはしなかった。
そもそもアシュトーリアさんだけは、私が潜入任務につくのも、その為に必死に勉強しているのも、嫌がっていた。
やめろ、とは言わなかったけど…やめて欲しいという気持ちは、私も感じていた。
「それは…本当に、悪かったと思ってます」
「…それでも、決意は変わらないのね?」
「はい」
私は、きっぱりと答えた。
するとアシュトーリアさんは、またしても大袈裟なほどの溜め息をついた。
アシュトーリアさんが狭量だから、反対しているのではない。
それは断じて違う。
そうじゃなくて、アシュトーリアさんはただ、私の身を心配してくれているのだ。
アシュトーリアさんは、幹部皆のことを我が子のように思っているけれど。
特に私のことは、自分の愛娘のように可愛がってくれている。
ルレイアやルリシヤ達はともかくとして、女である私を危険な潜入任務につかせることに、最後まで難色を示していた。
これでも、アイズが頑張って説得してくれたのだ。
次期首領であり、アシュトーリアさんの秘蔵っ子であるアイズが、何とかアシュトーリアさんを宥めすかしてくれたお陰で。
ようやく、一応の了承は得られたけれど。
それだって、「アイズがそこまで言うなら…」と、渋々OKしたに過ぎない。
アイズが言うには、最初に「シュノがルーチェスの代わりに潜入を志願している」と伝えたとき、
アシュトーリアさんは、「駄目」と一言、取り付く島もなかったそうな。
そこをアイズが上手く、持ち前の交渉術を用いて、鉄壁の要塞のようなアシュトーリアさんを懐柔してくれたのだ。
で、何とかアシュトーリアさんも折れてくれた。
しかし、折れてくれたとはいえ。
今も反対していることに、変わりはない。
「厳しいことを言うようだけど…。シュノ、あなたはルレイアやルリシヤやルーチェスほど、潜入任務に向いてはいないわ」
…あぅ。
分かってはいたけど、はっきり言われると、やっぱりグサッと来る。
「ましてや、『赤き星』は、あのルーチェスでさえ手を引いたほど危険な組織なのよ?」
「それは…ルーチェスには、守るものがあったから。私には…」
「何を言ってるの。あなたにもあるでしよ。あなたに万一のことがあったら、残された私達はどうすれば良いの?」
「…」
それは…ごめんなさい。
としか言いようがない。
「あなたの心意気は買うけれど…でも、だからって、自分の力を見誤って命を失うような事があったら、取り返しはつかないのよ」
「…はい。分かってます」
重々、承知の上だ。
アシュトーリアさんが止めるのは分かる。
だって、自分でも自覚しているから。
私には、スパイとしての才能は、ほとんどと言って良いほどない。


