「は?何ですか。私の可愛いフューニャ以上に大切なことでも?」
それは後で聞くから。
俺は、3倍速で再生していた動画を、通常の再生速度に戻した。
「…これは…」
華弦も気づいたようだ。
『裏党』の党員だけが集まることを許される、あの会議室に。
何人かの党員が、ぞろぞろと入ってきた。
勿論、その中には。
「…ヒイラ…」
「…!どれですか」
「これだ」
俺は、画面の一部を指差した。
集まった党員達の、中心にいる男。
ヒイラ・ディートハット。
画面に映るあの男の顔から、いつもの爽やかな笑顔が消えていた。
本当に同一人物なのかと疑うほど、険しい顔をしていた。
『…な…か?…しの…者だと…は』
ヒイラが、何かを話した。
音声が小さくて、聞き取りづらい。
俺は画面をタップし、音量を上げた。
盗聴器からの距離が遠いせいで、若干音割れしているが、これで聞こえるはずだ。
一体、何の話をしている?
『まだ分かりません…。『赤き星』からの連絡が…』
『ルクシア・セレネの住所は分かってるんだろう?踏み込めないのか』
…!
俺も華弦も、同時に息を呑んだ。
昼間、皆の前で明るい声を出していた、あのヒイラ・ディートハットが。
今は、恐ろしく低く、そして険しい声で。
とんでもないことを言っていた。
『それが…。宅配業者を装って、党員が何度か訪ねたのですが…。留守のようで…』
『居留守じゃないのか?』
『分かりません…』
どうやら…ルーチェスの動向を探っているようだ。
彼が、すぐさま亡命を決断したのは、正解だった。
グズグズしていたら、今頃どうなっていたか。
すると。
『分からないっていうのは、どういうことだ』
ヒイラは、苛ついたようにそう言った。
『マンションの監視カメラを探れ。夜逃げしたのかもしれない』
それは正解だ。
しかし、それをお前達が知ることは出来ない。
『そ、それが…。あのマンション、妙にガードが固くて…全く入り込めないようで…』
『何だと…?』
当然だ。
あの建物は、『青薔薇連合会』所有のマンション。
警備は万全だし、外部の者の侵入は許さない。
以前、ルルシー先輩のところの、ルヴィアとかいう準幹部…。
いや、華弦曰く、世界一可愛い妹が、憲兵局の残党に命を狙われて以来。
警備は、より強固なものになっている。
監視カメラをハッキングされるなど、有り得ない。
『ふん…。つまり、あのルクシアとかいう男は、やっぱり、帝国騎士団の回し者だったってことか』
ヒイラが、忌々しそうに言った。
帝国騎士団の回し者…。
『それにしても、このタイミングで夜逃げするとは…。仕込んだ盗聴器がバレたってことか?』
『…』
成程。
ルーチェスの自宅に、盗聴器付きのぬいぐるみを送ったのは、ヒイラの指示なのか。
『それとも、別の理由があるのか…?たかが帝国騎士団の犬が、あの盗聴器に気づくとは、とても…』
…それは残念だったな、ヒイラ・ディートハット。
うちの『裏幹部』は、とても優秀な者でな。
帝国騎士団の犬とやらと同じにされたら、困るな。
それは後で聞くから。
俺は、3倍速で再生していた動画を、通常の再生速度に戻した。
「…これは…」
華弦も気づいたようだ。
『裏党』の党員だけが集まることを許される、あの会議室に。
何人かの党員が、ぞろぞろと入ってきた。
勿論、その中には。
「…ヒイラ…」
「…!どれですか」
「これだ」
俺は、画面の一部を指差した。
集まった党員達の、中心にいる男。
ヒイラ・ディートハット。
画面に映るあの男の顔から、いつもの爽やかな笑顔が消えていた。
本当に同一人物なのかと疑うほど、険しい顔をしていた。
『…な…か?…しの…者だと…は』
ヒイラが、何かを話した。
音声が小さくて、聞き取りづらい。
俺は画面をタップし、音量を上げた。
盗聴器からの距離が遠いせいで、若干音割れしているが、これで聞こえるはずだ。
一体、何の話をしている?
『まだ分かりません…。『赤き星』からの連絡が…』
『ルクシア・セレネの住所は分かってるんだろう?踏み込めないのか』
…!
俺も華弦も、同時に息を呑んだ。
昼間、皆の前で明るい声を出していた、あのヒイラ・ディートハットが。
今は、恐ろしく低く、そして険しい声で。
とんでもないことを言っていた。
『それが…。宅配業者を装って、党員が何度か訪ねたのですが…。留守のようで…』
『居留守じゃないのか?』
『分かりません…』
どうやら…ルーチェスの動向を探っているようだ。
彼が、すぐさま亡命を決断したのは、正解だった。
グズグズしていたら、今頃どうなっていたか。
すると。
『分からないっていうのは、どういうことだ』
ヒイラは、苛ついたようにそう言った。
『マンションの監視カメラを探れ。夜逃げしたのかもしれない』
それは正解だ。
しかし、それをお前達が知ることは出来ない。
『そ、それが…。あのマンション、妙にガードが固くて…全く入り込めないようで…』
『何だと…?』
当然だ。
あの建物は、『青薔薇連合会』所有のマンション。
警備は万全だし、外部の者の侵入は許さない。
以前、ルルシー先輩のところの、ルヴィアとかいう準幹部…。
いや、華弦曰く、世界一可愛い妹が、憲兵局の残党に命を狙われて以来。
警備は、より強固なものになっている。
監視カメラをハッキングされるなど、有り得ない。
『ふん…。つまり、あのルクシアとかいう男は、やっぱり、帝国騎士団の回し者だったってことか』
ヒイラが、忌々しそうに言った。
帝国騎士団の回し者…。
『それにしても、このタイミングで夜逃げするとは…。仕込んだ盗聴器がバレたってことか?』
『…』
成程。
ルーチェスの自宅に、盗聴器付きのぬいぐるみを送ったのは、ヒイラの指示なのか。
『それとも、別の理由があるのか…?たかが帝国騎士団の犬が、あの盗聴器に気づくとは、とても…』
…それは残念だったな、ヒイラ・ディートハット。
うちの『裏幹部』は、とても優秀な者でな。
帝国騎士団の犬とやらと同じにされたら、困るな。


