The previous night of the world revolution6~T.D.~

料理を作る僕の背中を、セカイさんは嬉しそうに眺めていた。

何がそんなに嬉しいのか。

パスタを茹でながら、パスタソースにするミミズペーストに味付けをしていると。

ふと、僕は思い出した。

「ときに、セカイお姉ちゃん」

「んー?なんだい弟君」

「あなたに頼んでおいた抽象画、どうなりました?」

今日なら、僕も時間あるし。

まだ描いてる途中だろうし、今からでも、僕が代わろう。

で、明日か明後日に提出すれば、間に合う。

「あぁ!あれなら、今日完成したんだよ」

「はやっ」

もう完成したのか。

確か昨日の時点では、画用紙を真っ赤に染めただけだったそうだが。

お陰で、部屋の中が絵の具臭かったのだが。

昨日真っ赤にして、今日もう完成したと?

「そうだろうそうだろう。早いだろう?」

「凄いですね…。セカイさん、もしかして画家の才能あるのでは?」

「えへへっ!そうかな?私、画家目指しちゃおうかな〜」

何なら、僕よりも遥かに、美術学部に向いていたのかも。

授業…全部代返してもらおうかな。

などと、邪なことを考えてしまう。

「ちなみに、見せてもらっても良いですか?」

「うん!良いよ。ちょっと待っててね、すぐ持ってくる」

とてて、と寝室に出来上がった絵を取りに行き。

「じゃじゃーん!これを見よ〜っ!」

セカイさんは、自信満々に絵を見せてくれた。

…。

「凄いだろう!これぞ名匠セカイお姉ちゃんの力作!ルティス帝国の名画家を目指せるよ!」

「…」

…はい。

セカイさんのこの絵が、ルティス帝国の名画になった暁には。

ルティス帝国の芸術文化は、壊滅したと言っても過言ではないでしょうね。