The previous night of the world revolution6~T.D.~

「ふっふっふ。だいじょーぶ!バッチリ描けてるよ!良い感じのが!」

「え、そうなんですか?」

ちょっと。何で驚いた感じなの。

私には芸術のセンスなんてない、と思ってたな?さては。

悪い弟君め。

「私を甘く見たな〜?私の芸術的才能にかかれば、抽象画の一枚や二枚、お茶の子さいさいよ!」

「それはそれは…。おみそれしました。僕、ちょっとセカイさんのこと見くびってたのかもしれません」

「見くびらないでよ。私だって、やれば出来る子なんだよ?」

「棒人間くらいしか描けないのかと思ってました」

「さすがに見くびり過ぎだね!?」

ルーチェス君、君は私を何だと思ってるの。

棒人間くらいは余裕で描けるよ。当たり前でしょ。

…多分。

「完璧に代作してみせるから、安心して」

「そうですか…。何なら教授に絶賛されてしまうかもしれませんね」

絶対に「実はこれ代作なんです」とは言えない事態に発展しそうだね。

まぁ、さすがにそこまではないだろう。

「ちなみに、今どんな感じなんですか?」

「画用紙全部、真っ赤に塗ったところ!」

「…」

…ルーチェス君、何故無言?

だって、芸術は大爆発なんだよ?

そんな訳だから、とりあえず、全部真っ赤に塗ってみた。

「…ちょっと不安になってきたんですが…まぁ良いでしょう…」

ルーチェス君が何か呟いてる。

今何て言ったの?ねぇ。

まぁ良いや。

「それでねー、帰りに、近くのホテルの喫茶店で、豪華にお昼食べてきた」

お昼って言うか、ほぼおやつの時間だったけど。

「そうなんですか。予約してなくても入れました?」

「え?そんな本格的なレストランじゃなくて、喫茶店でパンケーキセット食べてきただけだから」

「なんだ…。折角なら、レストランでフルコース食べてくれば良かったのに。美術館近くのホテル…僕も行ったことありますけど、あそこのイタリアンフルコースは、なかなかのものでしたよ」

お口が肥えていらっしゃる。さすが元王子様。

庶民の私には、パンケーキセットですら贅沢なのに。

「そんなものより、私はルーチェス君のご飯が一番好きだよ」

「そうですか、それは良かった」

「ちなみに、今日のご飯はなーに?」

アンブローシア家の料理担当は、いつもルーチェス君である。

私が担当したら、キッチンが炎上するので。

「今日はセカイさんの好きな、オムライスですよ」

「やったー!」

こういうことしてくれるから、ルーチェス君ってば。

好き。

「あ、でもパンケーキガッツリ食べちゃったから、オムライスはちょっと少なめにしてね。私太っちゃうよ」

「そうですか。じゃあオムライスもガッツリ食べて、まるまると太ってください」

「ルーチェス君〜っ!!」

こういうことしてくれるから、ルーチェス君ってば。

大好き。