The previous night of the world revolution6~T.D.~

…その後。

私は、無事に抽象画なるものを見ることが出来た。

というのも。

熱心に、ルティス帝国の文化革命がどうのこうのと力説してくれるお兄さんに、

これはもう、言わなきゃ今日一日、文化革命見るだけで終わっちゃうと思い。

たまりかねて、私はおずおずと、「実は私、抽象画ってものを見に来たんです…」と打ち明け。

格好良い学芸員のお兄さんは、「そうだったんですか。気づかず申し訳ありません」と、凄く申し訳無さそうに謝ってくれた。

私は半泣きだった。

で、「こういった作品が抽象画になります」と、別のエリアに連れて行かれ、見せられたのがこれ。

感想。

…何じゃこりゃ?

「こちらは、ルティス帝国歴2500年代に起きた、第二次文化革命時に描かれた抽象画の一枚になります」

お兄さんが、親切に説明してくれたけど。

…何じゃこりゃ?

緑色の中に、赤と青のぐねぐねが絡まり合うように描かれている。

「…凄いんですか?これ」

「はい。こちらは、世界的に評価されているルティス帝国の抽象画家によって描かれたものでして…」

そうなんだ。

何だか、幼稚園児でも描けそうな絵なんだけど。

…これがそんな、凄い絵なの?

王立美術館に飾られるほど、凄い絵なの?

このぐねぐねが?

わ、分からん…!これはあれだぞ。分かる人にしか分からないという噂の…。

この絵の素晴らしさを理解するには、芸術的センスを求められる系の…そういう絵だな!

何だか似たようなものは、私でも描けそうな気がしてきた!

「ほ、他にはどんな絵があるんですか?」

「そうですね、抽象画が多く描かれたのは、第二次文化革命のときなので、こちらの方に…」

よ、よし。進歩してるぞ私。

抽象画っていうものを実際に目にして、ますますよく分かんなくなってきたけど。

何だか私でも描けそうという、希望が見えてきた。