The previous night of the world revolution6~T.D.~

しかも、うんちくは続く。

「無論、正確にはルシファーの身長や体格は分からないので、あくまで作者の推測で造られているものですが…。しかし、こちらも第一次文化革命時に造られた作品で、この作品が世界的に評価されたことから、ルティス帝国内の彫刻界を震撼させ、次々とルシファーの彫刻が造られています」

「は、はぁ…そうなんですか」

い、い、言わなきゃ。

私そういうの見に来たんじゃないんですって、ちゃんと言わなきゃ。

私抽象画って、よく知らないけど。

でも多分、さっきの絵画や、今見ているこの彫刻。

多分、いや絶対、抽象画ではない。

確かにこれも、素晴らしい作品なんだろうけど。

でも…でも違うんだよ!

私が見に来たのは、それじゃないの!

って、ちゃんと言おう。言わなきゃ。言うぞ。よし。

「更にこちらは、先程の彫刻とはまた別の彫刻家が造った作品で…」

「あ、あのっ」

「はい?」

よし、うんちくを遮ったぞ。

偉いぞ私。

「じ、実は私、こ、こういうのはあまり興味なくて」

「えっ」

「も、申し訳ないんですけど、私、別の…」

「これは申し訳ありません。そうですね、そういう方もいらっしゃいます」

うんうん、私そういう方だから。

だから、私は抽象画の…。

「勿論、彫刻はルシファーだけではありません。ルシファーのパートナーであったルカや、革命を手助けをしたと言われる、フランベルジュのものもありますよ」

「…へ?」

お兄さん、良い笑顔で、あなた何を?

「こちらにご案内しますね!こちらはフランベルジュの肖像画で、これは、第一次文化革命の中期頃に描かれた作品と言われていまして。ただし、これもあくまで画家の想像で描いたものですので、他にも様々な画家が描いた、それぞれの肖像画が…」

うわぁぁぁぁん!全然伝わってなぁぁぁぁい!!

と、叫びたかったのを、必死に我慢した。

もう半泣きだよ。どうしたら良いの。

貴重な時間を無駄にして、私は『ルティス帝国英雄伝』の文化に詳しくなっちゃってる。

有り難いことなのかもしれないが、でもそういうことじゃないんだよ〜っ!!