The previous night of the world revolution6~T.D.~

しばらく待っていると。

「お待たせしました」

若い男性学芸員さんが、受付にやって来た。

あらやだ。格好良いお兄さん。

なんて言ったら、ルーチェス君怒るんだよ。可愛いでしょ。

テレビで、格好良い俳優さんやアイドルが出てたとき、「あの人格好良い〜」とか言うと。

ぴたりと静止して、「…僕より?」って小さい声で聞くの。

馬鹿だなぁ、ルーチェス君より格好良い男の子なんているはずないのに。

可愛いんだから。

それはともかく。

「それでは、僭越ながら私が、館内を案内させて頂きますね」

「はい、お願いします」

にこやかで、爽やかなお兄さんについていく。

彼はまず、エレベーターで三階に向かった。

よく見たらこの建物、四階建てなんだね。

おっきい訳だよ。

エレベーターの中でも、お兄さんは丁寧に説明してくれた。

「我がルティス帝国王立美術館には、約3万点の美術品を展示している、言わずと知れた国内最大の美術館になります」

「あ、はい…」

「この規模は国内どころか、世界でも有数の美術館でして、国内外からの観光客は、年間600万人を軽く越えておりまして、ルティス帝国の重用な文化遺産に指定されております」

「そ、そうなんですか…」

「更にこの建物、今は美術館として使われておりますが、もとはベルガモット王家の所有する王宮で、時の王であった28代国王が建造し、暮らしていたと言われています」

「…はい…」

「更にそこから39代国王まで、代々王家の方々はここに暮らしていたのですが、40代国王の治世の際、帝都の都市整備計画の一環で、新たに王宮を建て、王族の方々がそちらに移り住んだので、この古い王宮は無人になってしまったのですが」

「…」

「これだけの規模の建物ですからね、放置しておくにはあまりに勿体ないということで、41代国王の治世の際に、この建物を美術館に改装しようという計画が建てられ、およそ30年かけて建物を改装、あらゆる美術品をここに集め、現在のルティス帝国王立美術館が完成しました」

「…おめでとうございます…」

うんちくが長い。

ひたすら喋ってらっしゃる。

するとようやく、エレベーターが三階に到着。

ふぅ、やっと着い、

「しかし、美術館が完成してからおよそ三年も経たないうちに」

また喋り出しちゃったっ。

「美術館は火事に遭いまして、美術品の一部が燃えてしまったんです。ちなみにこの火事の原因は、当時険悪な仲だったアシスファルト帝国から派遣されたスパイが、ルティス帝国文化の破壊を目的として放火した、というのが定説ですが…」

「は、はぁ…」

「実は、来館したルティス帝国人が、火のついたままのタバコをポイ捨てしたのが本当の原因ではないか、という説が、歴史者の中では有力な切なんです。まさか、ルティス帝国最大の美術館で起きた火事の原因が、タバコのポイ捨てです、とはなかなか言えませんからね」

にこ、と微笑むイケメン学芸員さん。

「…」

…あんまり為にならない雑学、ありがとうございました。