…かくなる上は。


もう、こうするしかない。

「お帰り〜ルーチェスく、」

「セカイさん!お願いがあります」

「ふぇ!?ど、どうしたの、帰ってすぐ…。欲求不満なの?」

「はい!」

あ、勢いで本音が。

「そ、そうなの?いーよ。じゃ、早速…」

「いや、待ってください。僕が欲求不満なのは事実ですが、しかしそうではなく」

「え?溢れ出る若い性欲を満たしたくて、ウズウズしてるんじゃないの?」

さすがセカイお姉ちゃん。僕のことよく分かってる。

しかし、今はそうじゃない。

「頼みがあるんです、セカイお姉ちゃん」

「お?何だ何だ?お姉ちゃんが、なーんでも聞いてあげよう!」

それは頼もしい。

なら…。

僕は、『赤き星』の連中に信頼を得る為、論文を書かなければならないので。

代わりに。

「…描いてください、抽象画」

「へ?」

これで、課題の一つは解決だな。