The previous night of the world revolution6~T.D.~

「美味しいですか、ルヴィアさん」

「う、うん…。相変わらず…味だけは美味しいよ…」

味だけはって、どういう意味です。

「それであの…聞くのは怖いんだけどさ」

「何です?」

「これ…この、ケーキの原材料…聞いても良いかな…」

ルヴィアさんは、恐る恐るケーキを食べながら、そう聞いてきた。

原材料?

「私も、お姉ちゃんからの聞きづてですが…」

「うん…」

「シェルドニアカタツムリのペーストを、たっぷりクリームに混ぜて」

「ぐほぁっ!」

は?

「…何やってるんですか?」

ルヴィアさんは、胸を押さえて震えていた。

「だ、大丈夫…まだ大丈夫だ…」

まだ大丈夫って何ですか。

「大丈夫だ…。ミミズペーストも食べさせられたし…。うん、それくらいは予測していただろう俺…。狼狽えるな、狼狽えるな…」

何か呟いてますし。

カタツムリ、美味しいのに。ルヴィアさんは苦手なんでしょうか。

少なくとも、このシェルドニアカタツムリは。

箱庭帝国で、食糧難のときに食べていたカタツムリよりは、遥かに美味しい。

「…そ、それに…。このイチゴは普通だもんな。やっぱりケーキの上にイチゴを乗せるのは、万国共通…」

と、言いながら、赤く染まったセミの幼虫を口に入れるルヴィアさん。

「?イチゴじゃありませんよ、それ」

「え?」

「シェルドニアセミの幼虫の、砂糖漬けだそうです」

「!!!」

ルヴィアさんは、ピシャッ!!と雷を打たれたように硬直した。

「…?大丈夫ですか?」

「…」

「…身体、止まってますよ」

「…ごくん」

あ、飲み込んだ。

セミの幼虫を。

「…」

ルヴィアさんは、目をぐるぐると回しながら。

かつ、震えを必死に抑えながら。

「…フューニャは、このケーキ」

「はい」

「このケーキ…美味しく食べたんだよな…?お義姉さんと一緒に…」

正しくは、お姉ちゃんとセカイさんの三人ですが。

「えぇ。美味しかったですよ、とても」

「そ、そうか…。それなら良いんだ…。フューニャが美味しく食べてくれたんなら…俺はそれで良いんだ…」

「…?」

よく分かりませんが、とりあえず食べてくれたので。

まぁ良いでしょう。