The previous night of the world revolution6~T.D.~

「では、ケーキをカットしますね。フューニャ、包丁を貸してください」

「私が切りましょうか?」

「いえ、可愛い妹に危ないものは持たられません。私がカットします」

フューニャに包丁を借り、まずはケーキを半分にカット。

「フューニャは、どれくらい食べます?」

「このくらいで」

「分かりました」

フューニャの指定したサイズに、ケーキをカットしていると。

「ふ、フューニャちゃん!あれ、本当なの?」

「何がですか?」

何やら、フューニャとセカイさんが、こそこそと喋っていました。

「ほら、カタツムリとか幼虫とか…。ブラックジョーク?フューニャちゃんのお姉ちゃんって、ユーモアがあるタイプ?」

「?何のユーモアですか?シェルドニア料理では、ミミズペーストやセミの塩漬けくらいは普通ですよ」

「嘘ぉぉぉ…!わ、私イナゴの佃煮とかダメなタイプなんだけど…!?」

何の話でしょう。

イナゴ?

それよりも。

「セカイさん」

「ひゃいっ?」

「セカイさんは、どれくらい食べます?」

「え、その…じ、実はあまりお腹が空いてない気がしてきたので、い、要らな…い、いや。ちょ、ちょこっとだけで良いです」

あら。

「遠慮してるんですか?」

「え?」

そうですね。友達の姉とはいえ、やはり初対面には変わりない。

初対面の人間相手に、手土産のケーキを「たくさん食べたいです!」とは、なかなか言いにくいもの。

さっき、「楽しみにしていた」と言ってくれたことだし。

何より、可愛いフューニャの大事なお友達ですし。

「そう言わず、たくさん食べてください。美味しいですよ」

気を遣って、私は大きめにケーキをカットすることにした。

「えぇぇぇお、大きい!大きいですよそれ!食べっ…ふ、太っちゃいますって私!」

「折角の女子会。今日くらい羽目を外しても大丈夫ですよ」

「そそそ、そうではなく!ほ、本当に、」

「はい、どうぞ召し上がれ」

「あわわわわわ…。ルーチェス君助けてぇぇぇ!」

何故、彼女がこんなに慌てているのか分からないが。

多分ケーキが美味しそうだから、興奮しているのだろう。

遥々シェルドニア王国から、お取り寄せした甲斐があったもの。

私の分もカットして、皿に乗せ。

「さて、それじゃ食べましょうか」

いざ、女子会の始まりである。

「私…生きて帰れるのかな…?」

何故かセカイさんが放心していたが。

ケーキを前にして、ちょっとわくわくした様子のフューニャが、あまりにも可愛かったので。

全然気づきませんでした。