The previous night of the world revolution6~T.D.~

アリューシャの、小指の痛みが引いてから。

半泣きのアリューシャに、私はこう言った。

「アリューシャ。向上心があるのは良いことだけど、慣れないことをいきなり始めるのは良くないよ」

さっきみたいな、痛い目に遭うことになるよ。

「うぅぅ…。分かってるさぁ…。どうせアリューシャは、狙撃とゴキブリ以外、何の取り柄もねぇって…」

「そんなことはないよ」

「でも、アリューシャもなんかやりてぇ!なんかやらして!役に立つこと!」

役に立つこと、か…。

私としては、さっきみたいに、私の目の前でアリューシャが微笑ましいことをしていてくれれば。

それだけで、充分私の精神衛生の役に立っているのだが。

アリューシャが、これ以上何かしたいと言うなら…。

「…じゃ、私の肩を叩いてくれないかな?」

「よし来た!アリューシャにお任せ!」

「うんうん、その辺り」

ちょっと威力が強いけど、まぁ良いだろう。

こんな報告書を読まされたら、肩が凝るどころか。

頭痛が酷くなるばかりだからな。

…それと。

「そうだ、アリューシャ」

「おうよ!」

「もう一つ、頼みがあるんだけど良いかな」

「何々!?アリューシャ何でもやるぜ!何ならバク宙とかもやる!」

それは危ないからやめておこうか。

「バク宙は良いから、この書類、シュノに渡してきてくれる?」

「よし来た!アリューシャにお任せ!」

やっていることは、単なるお使いなのに。

重要任務を託されたかのように、アリューシャは書類を受け取るなり。

脱兎のごとく私の部屋を出て、シュノのもとに向かった。

…さて。

あの書類が…ただでさえ余裕のないシュノの心を、痛めなければ良いのだが。