The previous night of the world revolution6~T.D.~

話し合いが終わり、ルーシッドもいなくなった場所で。

俺は、エリアスとBCの三人から、愚痴を聞かされる羽目になった。

「全く、嫌になるよな。あんな奴がいると」

「あぁ。あいつが何を考えてるのか、さっぱり分からねぇ」

「空気が読めないって言うか…。一昔前から来たの?って感じ」

ルーシッドの悪口大会、再び開催。

それを聞かされる、俺の身にもなってみろ。

ルーシッドが責められるのは、別に構わないが。

生産性のない他人の愚痴を、延々と聞かされるほど苦痛なことも、なかなかないぞ。

話し合いって、空気を読むものだっけ?

思ったことを口に出し、様々な意見を交わし合って討論するのが、話し合いってものじゃないの?

大勢の同調圧力に屈して、一部の意見が無視されるのなら、それはもう、話し合いの意味がない。

そんな話し合い、茶番でしかない。

しかし俺は、エリアス側の人間を演じる役割なので。

「全くですよね…。皆さんムキになってたから、渋々止めましたけど…」

あの白熱した議論を止めたのは、あくまでルーシッドの為ではない。

それを、この三人にアピールしておかなくては。

お前まで、あのルーカスとかいう奴に味方するのか、と思われたら面倒だ。

「正直、俺も言ってやりたいことはいくつもありました」

「何だよ、言えば良かったのに」

「いや、あんまり言ったら可哀想かなって…」

あくまで、俺が優しいということにしておこう。

俺が優しいのは事実だしな。

「人が良いなぁ、ルナニアは」

だろ?よく言われる。

「でも、ああいう考えは、一刻も早くルティス帝国からなくさないと」

「そうだよ。あんな考えの人間がいるから、ルティス帝国はいつまでたっても変わらないんだ」

「現状ルティス帝国に、どれだけ貧富の差があるのか、分かってないのかな」

「案外、貴族に縁のあるボンボンなんじゃないの?あるいは、親類に帝国騎士がいるとか」

縁があるどころか、親類どころか。

ご本人が貴族で、ついでに帝国騎士なんだけどね。

「あー、何?それで、自分のリッチな生活を邪魔されたくないからって、あんな主張する訳?」

「かもな」

「だとしたら、最低だな」

ルーシッドが最低なのだとしたら、お前らは能無しのカスだな。

本当にルーシッドが、そういう裕福な家で生まれ育ったボンボンなのだとしたら。

居心地が悪いに決まってる、『ルティス帝国を考える会』なんかに入る訳ないだろ。

それくらいの考えも及ばないのか、お前らは。

ルティス帝国総合大学の名が泣く。

潜入任務じゃなかったら、こんな居心地の悪いサークルに入るかよ。

俺もだけどな。