The previous night of the world revolution6~T.D.~

「自分だけが平和で、裕福ならそれで良い…。まるで、貴族や帝国騎士団のような考えだ」

貴族の帝国騎士だからね。

「どうしてそんなに古めかしい考え方なのか、理解出来ないよ」

貴族の帝国騎士だからね。

「悪いけど、恥ずかしくないのかと思うよ。そんな利己的な考え…。自己中心的だと言われても仕方ないよね」

貴族の帝国騎士ry(。

「このルティス帝国の転換期に、あなたのような存在は障害でしかありません」

貴族の帝国ry(。

「…」

言い返せない、貴族のry(。

はぁ。

可哀想だから、ここは同盟を結んだ者同士。

助け舟を出してやるか。

それに…もう、目的の半分は果たした。

「…皆さん、ちょっと落ち着きましょうよ」

俺は、苦笑いを装ってそう言った。

ルーシッド含め、ヒートアップしつつあった、この場にいる全員が、ハッとしてこちらを見た。

「俺も、ルーカスさんの意見には賛同しかねます。でも…ここは、『ルティス帝国を考える会』。人それぞれ、色んな意見があるのは当然ですよ」

「…」

反論する者はいなかった。

皆、思い出したのだろう。

『ルティス帝国を考える会』には、他人の意見を尊重するという大原則があったことを。

そんな大原則なんてどうでも良いくらいに、ルーシッドを批判するのに夢中だったか?

「そうですよね、会長」

俺は、わざとエリミア会長に話を振った。

お前が言ったんだぞ。この『考える会』の大原則を。

なら、お前が率先して守れ。

「…そうだね。ちょっと白熱し過ぎたかな」

白熱し過ぎたかな、じゃねぇよ。

白熱し過ぎて、大炎上だったわ。

「ごめんねルーカス君。責めるつもりはなかったんだけど」

ようやく、エリミア会長は我を取り戻したようで。

ルーシッドに向かって、そう謝罪したが。

嘘つけ。責めまくってたじゃないか。

どの口で言ってんだ?

しかし、謝られたら、許さない訳にはいかない。

「いえ…。こちらこそ、ちょっと…ムキになってしまって」

「そうだよね、色んな意見があって当然…。そういう考えの人もいるんだよね。それが分かって良かったよ」

嫌味かよ。

「よし、そろそろ時間だね。今日はこれでお開き。また次回、皆で話し合いましょう」

エリミア会長は、先程までルーシッドを責め立てていたのが嘘のような、人の良さそうな笑顔でそう言い。

その場を解散させた。



…が。