それを聞いたとき。
あ、来るべきものが来た、と思った。
いつか来ると思っていたが。
意外に早かったな。
多分、ルーシッドもそう思ったに違いない。
「…何か問題がありますか?『ルティス帝国を考える会』では、どんな意見でも尊重されると聞いていますが」
ルーシッドは、冷静にそう言い返した。
しかし、エリミア会長以下。
『ルティス帝国を考える会』の会員達は、ルーシッドを白い目で見ていた。
「そうね、それは会の大原則。でもあなたの場合…何だか、私達が何を言っても、故意に反対意見を口にして、楽しんでるように見えるわ」
楽しんでるだって?
こちとら、楽しいことなんて何もないのに。
「それはあなたの本心からの意見?それとも、単に反対意見を口にしたいだけ?」
今までも、「あのルーカスって奴ムカつくよな」的な意見は、話し合いの後に呟いている奴がいた。
それは、この講義室に仕掛けた盗聴器で確認している。
これまで何度も、影でルーシッドの悪口を言ってる奴はいた。
それを聞いたエリミア会長が、諌めることもせず聞き流していたのも知っている。
しかし。
こうして、皆の前で、本人の前で、公然とルーシッドを批判するのは、初めてだ。
とうとう、堪忍袋の緒が切れたということか。
切れるの早かったなぁ。
俺の懐の広さを、少しは見習って欲しい。
「俺は、俺の意見を述べているだけです。ただ、皆さんの意見と対立することが多いというだけで」
ルーシッドは、嘘は言っていない。
確かにルーシッドの役目は、『ルティス帝国を考える会』で、常に反対意見を口にすることだが。
その反対意見は、いつだってルーシッドの本心だった。
むしろ嘘をついているのは、俺の方だ。
「ここは『ルティス帝国を考える会』なんだから、主義主張は自由なはずでは?」
「えぇ、確かにそうね」
エリミア会長も、それは認める。
しかし。
「でも、もしあなたが故意に皆の意見に反対しているのでなく、本心であなたの意見を述べているなら…あなたは随分、前時代的な考え方をしているようね」
…ほう。
かなり突っ込んだ言い方だ。
前時代的、と来たか。
遠回しではあるが、これはルーシッドに対する批難だ。
そして、そんなエリミア会長の批難を、誰も咎めない辺り。
ここにいる、俺とルーシッド以外の全員が、エリミア会長と同じ意見なのだろう。
このルーカス(ルーシッド)という男は、前時代的な考え方をしている、と。
前時代的と言えば、そこそこ聞こえは良いが。
要するに、「お前の考え方って、時代遅れだよな。いつの時代だよw」って言ってるようなもんだからな。
「前時代的…そんな自覚はありませんが、会長がそう思われるのなら、俺は前時代的なのかもしれませんね」
ルーシッド、そこは自信を持って良いと思うぞ。
お前は前時代的だ。
「俺が前時代的なら、皆さんは革新的思考と言ったところでしょうか?」
「ルーカス君。私達は、ルティス帝国の未来を担っていく若者なのよ。いつまでも古い考えに囚われていては、ルティス帝国は永遠に、昔の価値観から変わらないままだわ」
「無理に変える必要はありますか?現体制で上手く事が回っているなら、改めることが必ずしも、良い方に繋がるとは限りません」
改良のつもりが、改悪になっちゃいました、って奴だな。
一番やっちゃいけないパターン。
しかし、会長にそんな理屈は通用しない。
「現体制で上手く事が回っている?…何かの冗談かな」
エリミア会長は、嫌悪すら滲ませてそう言った。
あ、来るべきものが来た、と思った。
いつか来ると思っていたが。
意外に早かったな。
多分、ルーシッドもそう思ったに違いない。
「…何か問題がありますか?『ルティス帝国を考える会』では、どんな意見でも尊重されると聞いていますが」
ルーシッドは、冷静にそう言い返した。
しかし、エリミア会長以下。
『ルティス帝国を考える会』の会員達は、ルーシッドを白い目で見ていた。
「そうね、それは会の大原則。でもあなたの場合…何だか、私達が何を言っても、故意に反対意見を口にして、楽しんでるように見えるわ」
楽しんでるだって?
こちとら、楽しいことなんて何もないのに。
「それはあなたの本心からの意見?それとも、単に反対意見を口にしたいだけ?」
今までも、「あのルーカスって奴ムカつくよな」的な意見は、話し合いの後に呟いている奴がいた。
それは、この講義室に仕掛けた盗聴器で確認している。
これまで何度も、影でルーシッドの悪口を言ってる奴はいた。
それを聞いたエリミア会長が、諌めることもせず聞き流していたのも知っている。
しかし。
こうして、皆の前で、本人の前で、公然とルーシッドを批判するのは、初めてだ。
とうとう、堪忍袋の緒が切れたということか。
切れるの早かったなぁ。
俺の懐の広さを、少しは見習って欲しい。
「俺は、俺の意見を述べているだけです。ただ、皆さんの意見と対立することが多いというだけで」
ルーシッドは、嘘は言っていない。
確かにルーシッドの役目は、『ルティス帝国を考える会』で、常に反対意見を口にすることだが。
その反対意見は、いつだってルーシッドの本心だった。
むしろ嘘をついているのは、俺の方だ。
「ここは『ルティス帝国を考える会』なんだから、主義主張は自由なはずでは?」
「えぇ、確かにそうね」
エリミア会長も、それは認める。
しかし。
「でも、もしあなたが故意に皆の意見に反対しているのでなく、本心であなたの意見を述べているなら…あなたは随分、前時代的な考え方をしているようね」
…ほう。
かなり突っ込んだ言い方だ。
前時代的、と来たか。
遠回しではあるが、これはルーシッドに対する批難だ。
そして、そんなエリミア会長の批難を、誰も咎めない辺り。
ここにいる、俺とルーシッド以外の全員が、エリミア会長と同じ意見なのだろう。
このルーカス(ルーシッド)という男は、前時代的な考え方をしている、と。
前時代的と言えば、そこそこ聞こえは良いが。
要するに、「お前の考え方って、時代遅れだよな。いつの時代だよw」って言ってるようなもんだからな。
「前時代的…そんな自覚はありませんが、会長がそう思われるのなら、俺は前時代的なのかもしれませんね」
ルーシッド、そこは自信を持って良いと思うぞ。
お前は前時代的だ。
「俺が前時代的なら、皆さんは革新的思考と言ったところでしょうか?」
「ルーカス君。私達は、ルティス帝国の未来を担っていく若者なのよ。いつまでも古い考えに囚われていては、ルティス帝国は永遠に、昔の価値観から変わらないままだわ」
「無理に変える必要はありますか?現体制で上手く事が回っているなら、改めることが必ずしも、良い方に繋がるとは限りません」
改良のつもりが、改悪になっちゃいました、って奴だな。
一番やっちゃいけないパターン。
しかし、会長にそんな理屈は通用しない。
「現体制で上手く事が回っている?…何かの冗談かな」
エリミア会長は、嫌悪すら滲ませてそう言った。


