The previous night of the world revolution6~T.D.~

――――――…本当に、ルルシーの声が聞きたいなぁと思って、電話してみただけなのに。

殊の外ルルシーが、神妙な雰囲気出してきて。

ちょっとびっくりした。

何があったって、そんなこと聞かれても。

「本当に何もないんですけど」

『嘘つけ。何もないのに連絡してくる訳ないだろ』

「…えー…」

俺、どうしたら良いの。

『…傍に行こうか?』

「ふぇ?」

ルルシーあなた、今何て?

『何だか、落ち込んでる声してるから…』

「…。…会えるのは嬉しいですが、でも危険ですよ。今は潜入任務中…」

『関係ない。お前が寂しがってるなら。任務なんて知ったことか』

おいおい。

『会いに行こうか。今何処にいる?』

「…」

…そうですね。

今ルルシーに会えたら、きっと凄く心が慰められるだろう。

でも。

今は、その気持ちだけで充分だ。

「…ねぇ、ルルシー」

『うん?』

「…自分にとって、人生を揺るがすような不幸な出来事でも…。他人にとっては、つまらない、些末な出来事でしかないんですよね」

俺の口から出てきたのは。

そんな、下らない言葉だった。

何を当たり前のことを。

『ルレイア…。お前』

「知らない人にとっては、どうでも良い。俺はローゼリア女王に裏切られたとき、復讐することでしか立ち上がれなかった」

今でも。

他の方法で、他の手段で、立ち上がれたとは思えない。

俺が再び生きる活力を得るには、復讐心以外有り得なかった。

だから、それを後悔したことはない。

それでも。

「だけど、ルティス帝国の為には…。ローゼリア女王と帝国騎士団と、ルティス帝国の為には。俺はあのまま立ち直れず、死んでいるべきだったんでしょう。きっとその方が、犠牲は少なくて済んだ」

『ルレイア、それは違う』

「違いませんよ。そう言われましたから。俺の犠牲なんて、大したことじゃないし、どうでも良いことなんだそうです」

そう。それだ。

彼らに言われた、その心無い…そして、紛れもない真実を突きつけられ。

俺は珍しく、心を揺れ動かされているのだ。