The previous night of the world revolution6~T.D.~

――――――…突然、公衆電話から電話が掛かってきた。

仕事用じゃない、私用の携帯に、だ。

そして、この番号を知っている者は…。

「…ルレイアか」

『御名答』

まぁ、声で分かったけどな。

…それで。

「何があった?」

電話による情報交換は、緊急時以外は行わないことになっている。

それなのに、ルレイアが連絡を取ってきたということは…。

…何らかの緊急事態が起きた、ということだ。

しかし。

『何もないですよ』

「…は?」

一体どんなピンチが訪れたのか、と身構えていたら。

「な、何もないって…?」

何かの暗号か?盗聴されてるのか?

いや、俺の携帯は大丈夫なはず…。

『ただ、ルルシーの声が聞きたくなっただけです』

「…」

…普段だったら。

いつもだったら。普通のときだったら。

「そんなことでいちいち電話してくるな!」と、怒るところなのだろうが。

俺だから分かる。その声音で。

他の誰も分からないだろうが、俺には分かる。

だから、もう一回聞こう。

「…何があった?」

『…へ?何もないですって』

そんなはずがないだろう、馬鹿。

お前が、あのルレイア・ティシェリーが。

本当に何もないときに、緊急事態用の連絡手段を使ってまで、俺の声を聞きたがる訳がないだろうが。