The previous night of the world revolution6~T.D.~

最初にそのメールを受け取ったのは、『青薔薇連合会』次期首領と名高い、我らがアイズレンシア・ルーレヴァンツァであった。

その文面をさっと読んだ彼は、まず上司であり、『青薔薇連合会』の首領である、アシュトーリアさんに報告。

10分後には、『裏幹部』であるルーチェスを含め、『青薔薇連合会』全幹部が、会議室に集められた。





「ごめんね皆、忙しいところに」

集まった俺達に、アイズは微笑みながら言った。

「全くですよ。俺達、ちょ〜忙しかったんですよー?」

「そうですよ。まさに生きるか死ぬかの、ギリギリの駆け引きをしていたところだったんです」

「あぁ。あのまま行けば、間違いなく俺は生きて来世を迎えられただろうな」
 
「アリューシャは助かったぜ!危うく借金まみれで死ぬところだったからな!」  

「わ、私も。アイズが呼んでくれたお陰で、生きてここに来れたわ」

「…お前ら、嘘をつくな。俺の部屋で勝手に人生ゲームしてただけだろうが」

いやんルルシー。それは言わないお約束。

あのとき、いきなり集められた理由の重大さを知らなかった俺達は、

そんな、呑気な会話をしていた。

これから始まる会話の内容を知っていれば、もう少し神妙だった…、

…かは、分からない。案外、それでも呑気にしてたかも。

「…それで?一体どうしたんですか、アシュトーリアさん」

「そうねぇ…。ちょっと、面倒なことになるかもしれなくてね」

ほう?

「アイズ、説明お願い出来るかしら」

「分かりました」

心得たと言うように、アイズは自分のスマートフォンを取り出し。

何やら操作していた。

すると。

会議室に、『frontier』の着メロが流れた。

「お、メール来た」
 
「ルレイア先輩、それ『frontier』の新曲じゃないか」

「今度MV出る奴ですよね」

「うふふー。上司特権で、先に入手しちゃいました」

「…お前ら、『frontier』の新曲は良いから、届いたメールを見ろ」

はいはい、ルルシー。

アイズが、俺達に一斉転送したメール。

送り主が誰かを見て、成程ここに集められた意味が分かった。

そして、短いメール本文を見て、更に納得した。

成程ね。

人生切り上げて、ここに集められた訳だ。

「…分かってもらえたかな?」

「ふふ…。そうですね。分かりたくないですけどねー」

「まぁ、いつかは来るだろうと思っていた。俺の仮面の勘が」

「ですよね。あのときは僕もいませんでしたが、いつかはこの類の話が出ると思ってましたよ」

俺、ルリシヤ、ルーチェスの三人は、即時に意味を理解。

一方。

「『天の光教』って…今更あいつらに、何が出来るんだ?」

「そうよ。だって、教祖のルチカ・ブランシェットは、もう捕まってるんでしょ?」

ルルシーとシュノさんは、若干困惑気味。

その気持ちは分かる。

で、アリューシャは。

「…『天の光教』の…の、のこり…?」

まず、漢字が読めてなかった。

かろうじて、「残」は読めている様子。

「…この馬鹿アリューシャ。お前はもう黙っとけ」

いやんルルシー、過激派。

「あ、ごめんアリューシャ。ふりがなつけるの忘れてた。『ざんとう』って読むんだよ、『ざんとう』」

「ざんとうな!知ってる知ってる!醤油かけて食うと美味い奴な!」

どれ?

「…アリューシャ、このボケナス…」

「まぁまぁルルシー、落ち着いて」

苦笑したアシュトーリアさんが、そう言ってルルシーを宥めてくれていなければ。

本当に、アリューシャはルルシーの手によって、会議室の外に追い出されていたかもしれない。

危ない危ない。

「アリューシャ。残り、って意味だよ。『天の光教』の残り」

「へ?あいつらあれだろ?アリューシャから、ケーキ屋を奪い取ろうとした大悪党じゃん。あいつらがどうかしたの?」

アリューシャにとって『天の光教』は、そういう認識だったらしい。

あながち間違っていないというのが凄い。