The previous night of the world revolution6~T.D.~

「僕に何かあったら…。いや、僕に何かがあるだけなら、まだ良い」

…それだって、良くはないだろ。

「でもセカイさんが…彼女に何かあったら、僕は首を落とされても死にきれない」

「…」

「だから、最大限注意します。最大限警戒します。最大限努力します。その為に、僕に出来る全てのことをします」

…。

…お前が。

そこまでの覚悟を決めてるなら…俺が口を挟むのは野暮かもしれないが。

「…ルーチェス」

「はい」

「本当に危険だと判断したら、すぐに退け。何なら、今すぐでも良い。お前と…お前の嫁に何かあったら…。いや、何かあってからじゃ遅いんだ」

帝国騎士団との約束なんて、知ったことか。

仲間の…家族の安否に比べたら。

今すぐにでも、『赤き星』から手を引いて良いのだ。

しかし。

「今のところは、疑われてる様子はありません。しばらくは踏み込まずに静観して、『赤き星』の信頼を得ることに専念するつもりです」

「…」

あくまで、ルーチェスは続行を選ぶ。

ただし、今は慎重に動く、と。

踏み込まず、静観して、『赤き星』の実態を観察するに留める。

賢明な…そして、ギリギリの判断だ。

「…お前のことだから、ちゃんと引き際は弁えてると思ってるが」

「はい」

「…無理はするなよ。絶対に」

「えぇ、そのつもりです」

無理をして深入りして、危険を犯す必要はない。

危ないと思ったら退け。

そもそも、危ないと思うようなことはするな。

『赤き星』に潜入した時点で、帝国騎士団への義理は果たしてるのだ。

これ以上、無理をする必要はない。

「いざとなったら、すぐ逃げるので。フォローお願いしますね」

「分かった」

言われるまでもない。

「…それと、折り入ってルルシーさんに、一つ頼みたいことがあるんですが」

「何だ?」

俺に出来ることなら、何でも…。

「日中、僕がいない間…。さりげなくで良いんで、セカイさんに気づかれない範囲で、彼女の身辺警護を頼めませんか。…あなたのところの準幹部に」

「…ルヴィアに?」

ルーチェス嫁を護衛するのは構わない。今までにも、ルヴィア嫁の身辺警護を引き受けたことはある。

そのときと同じように、ルーチェス嫁も守れば良い。それは構わない。

でも、何でルヴィアに…。

「別に深い意味はありませんよ。単純にお隣だからっていうのと、ルヴィアさんの嫁とうちの嫁、仲良いんで。都合良いかなって」

「あぁ…」

そういうことか。

じゃあ、ルヴィアに頼んで…それから。

ルヴィアだけじゃなく、他の構成員達も動かそう。

ルーチェス嫁に何かあったら、ルーチェスに申し訳が立たない。

だとしたら、男共に警護させるより、女性構成員に警護させた方が良いだろう。

となると、ルヴィア嫁のときみたいに、またシュノの部隊に…。

…あ、いや、待て。

「ルーチェス。その件…ルヴィアだけじゃなく、華弦(かげん)にも声をかけて良いか?」

俺は、そう提案した。