The previous night of the world revolution6~T.D.~

しばし無言の二人だったが。

ルルシーが、溜め息混じりにルーシッドに言った。

「…ごめんな、本当。こんな奴で。毎日大変だろう。よく我慢してるよお前は」

「いえ…。あの…。なんか、もう慣れました…」

「そうか。苦労かけるな」

何その会話。

まるで俺が悪い子みたいに言うんだから、もう。

俺はこ〜んなに真面目で、誠実な大人なのに。

「…とにかく、サークル…『ルティス帝国を考える会』だったか?」

「はい、それです」

「そこでの潜入任務は、今のところ大きな支障なし、と解釈して良いんだな?」

「はい!何にも問題ないですよ。俺俳優ですから。そりゃあもう完璧に、ルーシッドを悪者に仕立て上げてます」

「…そうか」

何で目を逸らすの?ルルシー。

俺は誇らしい事実を言ってるだけなのに。

褒めてよ。

「入学時、良い感じに『考える会』入会希望の自称友人と出会いましてね。そいつを要領良く利用してます」

無論、エリアスのことである。

「そいつは、信用出来るのか?」

「頭空っぽみたいな人間ですからねー。今のところ、疑われてる感じはありませんね」

「そうか。まぁ、舌先三寸で人を騙すのはお前の十八番みたいなものだしな。で、サークルメンバーはどんな感じだ?」

ちょっとルルシー。今、なんか人聞きの悪いこと言わなかった?

聞こえなかったことにしよう。

「サークルメンバーは…あまり思わしくないですね」

「…やっぱり、共産主義者の集まりか?」

「共産主義…と言うか、現体制反対派、と言ったところでしょうか。まぁ、間接的に共産主義者になるんですが」

「王制反対、帝国騎士団反対がスローガンみたいになってます」

と、補足するルーシッド。

そうそう、そのせいでお前袋叩きにされてたんだもんな。

「お陰で、現体制賛成派のルーシッドは、良い晒し者になってますよ。現に今日も、帝国騎士団を話題に出したら、奴ら、まぁ叩く叩く。布団でもあんなに叩かれませんよ」

半笑いでそう言うと、何故かルルシーは、眉をひそめて。

「…気分悪かったろ?」

と、聞いた。

「ルーシッドは超しかめっ面でしたよ。一人だけ、帝国騎士団擁護しないといけませんからねー。いやぁ可哀想ったら…」

「お前もだよ、馬鹿」

は?

「…俺?」

「そう、お前もだよルレイア。…王族や帝国騎士団や…貴族達を、扱き下ろされて…気分悪かったろ?」

「…俺は、別に」

…ルルシーったら、しばらく会わなくても、相変わらず心配性なんだから。