The previous night of the world revolution6~T.D.~

リビングに、ルルシーを招き。

下僕のエリュシアに紅茶を運ばせてから。

「いやぁ、済みませんねぇ。むさ苦しい部屋で。おまけに陰気臭くて。如何せん同居人が陰気の塊みたいな奴なもんで…」

「失礼なことを言うな。陰気臭くないだろルーシッドは」

そう言って、ルルシーは同席しているルーシッドの方を向いて。

「済まんな、ルーシッド…。本当、躾がなってなくて…。苦労してるだろ」

「あ、はい。…あっ、いえ、そんなことは…」

「いや、良いんだ。分かってる。こいつの相手をするのがどれだけ大変かは、俺も身を以て理解してる」

ちょっとルルシー。それどういう意味?

あぁ分かった。俺と一緒にいると居心地良いよね、って意味だ。成程。

俺とルルシーは、相思相愛だからね。

「良いかルレイア。お前な、一人で暮らしてるんじゃないんだからな。ちゃんとルーシッドに気を遣って…」

「もールルシーしゅき!」

しゅばっ、とルルシーに抱き着く。

「話を聞け!ってかくっつくな!」

「済みません、久々にルルシーに会えた喜びで、俺フェロモン衝動が抑えきれなくて…」

「抑えろ。出すな。ルーシッドにまで被害が及ぶだろ!」

「ルーシッド?あぁいたねそんなモブ。でもそんなの、俺とルルシーの愛の中には関係ない…」

「モブ呼ばわりすんな!」

と、いう俺達の愛おしいやり取りを。

理解出来てないらしい憐れなルーシッドは、何処か達観したかのような目で見ていた。

あいつは何も分かっていないのだ。可哀想に。童貞だからな。

「それより!大学生活はどうなんだ?ちゃんと目立たずやってるか?」

あぁ、そうね。

ルルシーは、俺達実働部隊と、本部である『青薔薇連合会』・帝国騎士団の仲介役だからね。

情報共有の為に、こうして定期的に俺達スパイ役の潜伏先を訪ね、情報収集して回っているのだ。

盗聴やハッキングを警戒して、電話やメールでの情報伝達は、極力控えるようにしている。

一応、常にメールでの連絡は取り合っているが。

その内容も暗号化しており、もし他人に漏出することがあっても、不審には思われないよう細工してある。

例えば、万事順調に事が運んでいるときは、「今日は良い天気ですね。」とメールし。

警戒を強めた方が良いときは、「明日は曇りみたいですね。」

有事のときは、「今日は突然の雨で大変でしたね。」とか。そんな感じの符丁。

あ、これはあくまで例えであって、本当にこんな分かりやすい暗号使っている訳じゃないからな。

こんな分かりやすかったら、モロバレじゃん。

とにかく。

「ちゃんとやってますよ。俺、案外学校の先生、向いてるかもしれません。このまま教職免許取っちゃおうかなー」

「…」

え、ルルシー何で無言?

ルーシッドまで、何故かドン引きなんだけど。何で?

「お前みたいな教師がいたら、ルティス帝国の未来は終わりだ」

「それで、本命のサークルの方ですけど」

「聞こえなかった振りをするな。…まぁ良い。それで?サークルの方はどうなってるんだ?」

「良い感じに、ルーシッドの悪口大会が開催されてて、何なら俺も参加したいです!」

「…」

「…」

さっきから、ルルシーとルーシッドがいちいち無言を挟むんだけど。

何で?