『あのルーカス・トラーナっていう学生、なんか変わってるよな』
講義室に残っていた上級生の一人が、ポツリとそう言った。
それを皮切りに、我も我もとルーシッドの悪口大会が始まった。
『そうね。私も気になってたわ』
『初日からあんな感じでしたもんね。王制や帝国騎士団を擁護して…』
『何であんな考えになるのか、理解出来ないよ』
おー、言われてる言われてる。
聞きながら、思わず顔がにやけてしまいそうになる。
『旧世代の考えに、未だに囚われてるのよ。案外、田舎の出身なんじゃないかしら』
田舎者呼ばわり。
残念、スヴェトラーナ家は、帝都一等地に居を構えております。
『本当、調子狂うよな、あの新入生…』
『空気が読めてないって言うか…』
『考え方が幼いんじゃないですか?』
言いたい放題の上級生会員達。
ルーシッドが、批判の矢面に立たされることは分かっていた。
そうなるよう仕向けているのだから、当然だ。
故に、ルーシッドがどんな悪口を言われていようと、そんなことはどうでも良い。
まぁ、小気味良いとは思うけどな。
それよりも。
「…」
俺は、PCに繋いである監視カメラの映像を、無言で見つめていた。
ルーシッドの悪口大会が開催されている、その場に。
いるのだ。
会長が。エリミア・フランクッシュが。
それが何より重要なことだ。
彼女は、ルーシッドに向けられる悪口の数々を、その場で一緒に聞いている。
聞いていながら、彼女はルーシッドに悪口を言う会員達を、止めようともしなかった。
誰にも発言権があり、誰の意見も尊重される会を代表する人物が。
一人異端な意見を持つルーシッドに対して、これほどの陰口を叩かれているのを聞いていながら。
彼女は彼らを止めようともせず、まるでその通りだとでも言うように、聞き流していた。
つまり、そういうことなのだ。
エリミア会長もまた、ルーシッドを異端者だと考えているのだ。
…平等主義が、聞いて呆れるな。
あの女も所詮、外面は綺麗に取り繕っているが。
根の部分は、共産主義に染まった、現体制反対派の人間なのだ。
…すると。
不意に、ルーシッドの悪口でもない、ルトリアさんの歌声でもない、部屋の扉をノックする音が、室内に響いた。
講義室に残っていた上級生の一人が、ポツリとそう言った。
それを皮切りに、我も我もとルーシッドの悪口大会が始まった。
『そうね。私も気になってたわ』
『初日からあんな感じでしたもんね。王制や帝国騎士団を擁護して…』
『何であんな考えになるのか、理解出来ないよ』
おー、言われてる言われてる。
聞きながら、思わず顔がにやけてしまいそうになる。
『旧世代の考えに、未だに囚われてるのよ。案外、田舎の出身なんじゃないかしら』
田舎者呼ばわり。
残念、スヴェトラーナ家は、帝都一等地に居を構えております。
『本当、調子狂うよな、あの新入生…』
『空気が読めてないって言うか…』
『考え方が幼いんじゃないですか?』
言いたい放題の上級生会員達。
ルーシッドが、批判の矢面に立たされることは分かっていた。
そうなるよう仕向けているのだから、当然だ。
故に、ルーシッドがどんな悪口を言われていようと、そんなことはどうでも良い。
まぁ、小気味良いとは思うけどな。
それよりも。
「…」
俺は、PCに繋いである監視カメラの映像を、無言で見つめていた。
ルーシッドの悪口大会が開催されている、その場に。
いるのだ。
会長が。エリミア・フランクッシュが。
それが何より重要なことだ。
彼女は、ルーシッドに向けられる悪口の数々を、その場で一緒に聞いている。
聞いていながら、彼女はルーシッドに悪口を言う会員達を、止めようともしなかった。
誰にも発言権があり、誰の意見も尊重される会を代表する人物が。
一人異端な意見を持つルーシッドに対して、これほどの陰口を叩かれているのを聞いていながら。
彼女は彼らを止めようともせず、まるでその通りだとでも言うように、聞き流していた。
つまり、そういうことなのだ。
エリミア会長もまた、ルーシッドを異端者だと考えているのだ。
…平等主義が、聞いて呆れるな。
あの女も所詮、外面は綺麗に取り繕っているが。
根の部分は、共産主義に染まった、現体制反対派の人間なのだ。
…すると。
不意に、ルーシッドの悪口でもない、ルトリアさんの歌声でもない、部屋の扉をノックする音が、室内に響いた。


