The previous night of the world revolution6~T.D.~

その日の会議が終わり。

潜伏先の自宅に帰るなり。

俺は、自室に閉じこもって、ヘッドフォンを装着していた。

さてはお前、『frontier』の新曲でも聴いてるんだろう、って?

まさか。失礼な。

自室にいるとはいえ、今は、潜入任務中だぞ?

ちゃんとお仕事してるよ。

ちゃんとお仕事をしながら…『frontier』の新曲を聴いてる。

一石二鳥、ってね。

「ふーん…」

部屋の中に置いてあるステレオからは、『frontier』の新曲が流れている。

今回の新曲は、俺が監修に携わったので、俺好みの素晴らしい曲になっている。

ちなみにCDのジャケットは、『frontier』の五人が、素晴らしいゴスロリ衣装を身に着けた写真が使われている。

衣装を用意したのも、勿論俺だ。

ルトリアさんは、「またですか!?」とか言ってたような気がするが。

多分気のせい。

そして、そんなCDの売り上げは上々なので、ゴスロリはやはり世界を救うということが証明されたな。

で、それじゃヘッドフォンでは何を聞いているのか、だが。

俺が聞いているのは、ルーシッドの悪口だ。

は?と思ったかもしれないが。

紛れもない事実だ。俺は今、ルーシッドの悪口を聞いている。

もっと正確に言えば、ルーシッド演じる、ルーカス・トラーナの悪口だが。

実は俺は、『ルティス帝国を考える会』に入会した初日。

全員が帰宅して、講義室が無人になった隙に、盗聴器やカメラを仕掛けさせてもらっている。

その盗聴器に録音された音声を、聞いている。

当然リアルタイムでも聞けるし、時間を遡って録音した音声を聞くことも可能だ。

俺は今、今日の会議が終わって、ルーシッド含む、俺達新入生が講義室を出た直後の、講義室内の音声を聞いている。

そこでは、帝国騎士団バッシングしていた連中が、今度はルーシッドに矛先を向けている様子が録音されていた。