The previous night of the world revolution6~T.D.~

…けれど。

一般人の多くは、この事実を知らない。

お偉い「お貴族様」は、何の努力もせずに、生まれたときから悠々自適で暮らしてきたものだと、思い込んでいる。

少なくとも、このサークルにいる会員達は、そんな俺達の貴族事情を知らない。

偉そうに、国の中枢を担っている帝国騎士団の隊長達は。

ちゃんと、それなりの教育を受け、それなりの努力を支払った結果、今の立場にいるのだということを。

何で分かんないんだろうな。

お前達だって、ルティス帝国総合大学に入学したなら、分かるだろうに。

お前達も、人並み以上に努力して勉強して、ようやくこの大学に入れたんだろう?

帝国騎士団の隊長達も、そうなんだよ。

お前達だって、ルティス帝国総合大学に入れなかったら、お前の命に価値なんてないと言われて育ってきたら。

俺達みたいな人間の気持ちも、理解出来るのか?

そりゃ貴族生まれだからね、生活には不自由しなかったよ。

でも、それ以外に自由なことなんて、一つもなかった。

「貴族ばかりが集まってるから、一般人の気持ちが分からないんです。私達の声が届かないんです」

それはお互い様だろう。

お前だって、貴族の気持ちを考えたことあるのか?

「人間は皆平等であるはずなのに、帝国騎士団だけが特権をもらって、その権威にあぐらをかいている」

それは当然だろう。

国に有事があれば、命を懸けるのは帝国騎士団なんだから。

「帝国騎士団なんて、ルティス帝国には必要ないと思います。ルティス帝国にとって害を及ぼす存在でしかない」

泣けてくるよな、ルーシッド。

俺達の積み重ねてきた努力は、彼らにとっては「有害」な存在なんだってさ。

それでも。

「…そんなことはないと思います。帝国騎士団は、正義を掲げる組織。これまでも、何度も国民を助けてきたじゃありませんか」

ルーシッドは、己のプライドを。

いや、自分の人生の価値を、失わせない為に。

四面楚歌の状況でも、抗弁してみせた。