The previous night of the world revolution6~T.D.~

「ルーチェス君難しいこと書き過ぎ!何これ何語?」

ルティス語でしょうよ。

「この、こみゅにずむ?っていうの何!?読みにくいし横文字で意味分かんない!」

そこから?

僕の論文の、テーマすら理解されていなかった。

「イデオロギーとか、プロレタリアートとかって何?何でいちいち横文字にするの!?横文字にすれば誤魔化せると思ってない!?」

「別に誤魔化してないですよ…」

「こんなの難し過ぎて分かんないよ!ルーチェス君の頭は、いつからこんなカチコチになったの?頭ふにゃふにゃで可愛かった、私の弟君は何処に行っちゃったの?」

頭ふにゃふにゃだったんですか?僕。

それはどういう解釈をしたら良いんですか。

とにかく。

「心配しなくても、今でもちゃんとふにゃふにゃですよ」

頭カチコチな論文を書いているのは、僕ではない。

ルクシア・セレネという、僕の姿をした架空の人物だ。

だから、今セカイさんの隣にいる、このルーチェス・アンブローシアは。

「ちゃんと、あなたの可愛い弟君ですよ」

「…本当に?」

「えぇ」

「じゃあ、触ってみても良い?」

何処を?と思ったが。

セカイさんなら、別に何処触られても良いな。

「どうぞ」

「…」

セカイさんは、無言で僕の背後に立ち。

両手で僕の頭を掴み、わしゃわしゃしていた。

…この行為に、何の意味が?

更に、肩、背中、腰を順番にふにふに触ってから。

「…本当だ!ちゃんとルーチェス君だ!」

名医セカイさんの触診によって、僕が至って正常であることが証明された。

良かった。

「私の可愛いルーチェス君だ〜…。ういのう〜」

撫でられた。

「それと、ルーチェス君」

「何ですか」

「良い子はもう、寝る時間だよ」

そういえば、もうとっくに深夜だね。

「でも、僕悪い子なので…」

「あらま〜。そんな悪い子は、こうして脇をこちょこちょと…」

「あぁぁはいはい、ちょ、分かりました寝ます、寝ますから勘弁を」

「うふふ、宜しい」

僅か数秒で降伏。

だって、抵抗しても、降伏するまでくすぐられるのは分かってるから。

じゃあ、素直に寝よう。

「お休み、ルーチェス君」

「はい、お休みなさい」

残りの論文は、明日以降に仕上げるとしよう。