The previous night of the world revolution6~T.D.~

…30分後。

今のところ、セカイさんからは何の指摘もない。

30分もあれば、あれくらいすぐ読めるはずだが。

熟読してくれてるんだろうか。

それは有り難いのだが、もし修正点があるなら、早めに教えて欲しい。

特に、序論の部分を訂正するとなれば、本論の展開にも関係しているかもしれない。

またイチから書き直し、は面倒だ。

「セカイさん」

「ぎくっ」

ぎくって何?

「何処か修正した方が良いところ、ありました?」

「う、う〜ん…。ど、どうかな〜…」

…。

…目、泳いでますけど。

これは、どういう反応の目だ?

「い、良いんじゃないかな〜?うん…」

「…」

「い、良いと思うよ!大丈夫!ルーチェス君なんだから、大丈夫!」

僕だから大丈夫って、何だその根拠は。

…さては、セカイさん。

僕の中で、ある可能性が浮上した。

「…何処が?」

「えっ?」

「何処が良いと思ったんですか?」

「そ、それは…!えっと…全部良かったよ…?」

へぇ、全部ね。

それはありがとうございます。

「具体的には?」

「ぐっ…具体的に…?」

「どういう点が良かったと思いました?」

「…」

「…セカイさん?」

「…字」

「字?」

セカイさんは、スーッとそっぽを向きながら言った。

冷や汗を流して。

「字が…綺麗なところかな」

「…」

「…」

「…セカイさん」

やはり、僕の予想通り。

「あなたに一つ、人生の大事な教訓を教えてあげます」

「な、何?」

「…分からないことは、素直に分かりませんと言いましょう」

「…あぅぅ〜…」

セカイさんは、半泣きで僕の論文を突き返してきた。

「だって難しいんだもん!何て書いてあるのかよく分かんないんだもん!」

そう。

セカイさんが、30分待っても何も言わなかったのは。

僕の書いた論文の意味が、理解出来なかったからである。