The previous night of the world revolution6~T.D.~

…え。

何その反応。

ルレイア師匠のところは、「ようこそようこそ!大歓迎!」って迎えられたと聞いたんだけど。

僕の方は、この反応って。

「…入党希望ってこと?」

そんな共産党みたいな言い方。

「はい。入党させてもらえませんか」

「悪いけど、うちは三年生以上の学生は、入党出来ないことになってるの」

何だって?

それは初耳…と言うか。

「え、でも…。学校のホームページには、どの学部、学年でもサークルには自由に入れるって…」

「それは他のサークルや同好会のことで、うちでは独自のルールを設けてるの」

そんなの聞いてないぞ。

一、二年生お断りってこと?

それじゃあ僕は、何の為にここまで来たんだか。

無駄潜入じゃないか。

僕はスパイをしに来たのであって、絵画の腕前を上げに来たのではない。

「二年次の後期に、『コミュニズム概論』っていう授業があるでしょ。それを履修してからじゃないと、『赤き星』には入れないって決まりだから」

つっけんどんに言う、『赤き星』党員。

成程。

一見さんお断りと言うか、それなりにコミュニズムについて勉強してからでないと、うちのサークルには入れませんよ、と。

そういうスタンスらしい。

つまり、共産主義についてある程度勉強し、それに賛同した者でなければ、入党する資格さえ与えられないと。

分かりました。

「そうなんですか、なら三年生になって出直してきます」…なんて。

ことを言っていたら、スパイしに来た意味がない。

むしろ、そこまで秘匿性の高いグループだからこそ、内部に入る価値がある。

スパイのし甲斐があるというものだ。

コミュニズムに染まっていなければ、入党資格を得られないと言うならば。

僕が既に、根っからのコミュニストであることを証明すれば良いのだろう?

「…そんなことを言われるとは、心外です」

僕は、敢えて神妙な顔で言った。