「若いって~…私もう25歳ですよ?!そんなに若くないですって」
「君が若くないなら君より三つ年上の俺はどうなる。
人を年寄り扱いするな」
「そんなつもりありませんって~。伊織さん案外被害妄想激しいんだから。それに思い込みも激しいし」
「何を?!」
顔を見合わせると、互いに自然に笑顔になっていって、笑いが止まらなかった。
何よ、この人結構可愛い所あるじゃんか。
勝手に冷酷な人だとばかり思いこんでいた。
一緒にご飯を食べるって約束も守ってくれたし、私が甘い物を好きだって聞いたからあんなに大量のお菓子を送り付けて来た。
もしかしてすごく不器用なだけで、伊織さんは私が思っているよりずっと優しいのかもしれない。
「大体碧人が人の妻に馴れなれし過ぎるんだ」
私の事を強く妻だと認識しているかもずっと定かではなかった。 だからこれはヤキモチととらえていいのだろうか。
「伊織さんは小早川さんとすごく仲良しですね」
「別に仲がいいわけじゃない。」



