【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない


失恋したからといって髪を切るのはベタすぎるだろうか。

自分のロングヘアーのサラサラストレートの黒髪は結構気に入っている。 髪は小さな頃からずっと長い。

ちなみに桃菜も現在は黒のロングヘアーだ。 けれど出会った頃はボブだった。

色々な事を真似されるのはちょっと嫌だけど許容範囲ではある。 けれど桃菜は何をしても私より似合ってしまう、仕方がない事だとは分かっていてもそれがショックだ。

可愛らしい顔立ちをしている桃菜や明海に比べて、私はどちらかといえば女の子らしい雰囲気とはいえなかった。

切れ長の瞳はつりあがっていて、鼻や口も小さめだがツンとしている。

性格もどちらかといえば周りからは姉御肌と言われ、しっかり者だと言われてしまう。 だからついつい周りの期待に応えてしまいたくもなる。

「大体私は昔から桃菜が大嫌いだった。 それなのに桃菜ときたらずっと大学でも真凛にひっついて、いつも頼りっぱなしでさ…」

「桃菜はなんか放っておけないんだよね。」